研究課題/領域番号 |
04807065
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今泉 益栄 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40191895)
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研究分担者 |
小泉 善嗣 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90250761)
井出 宏之 (井出 宏行) 東北大学, 理学部, 教授 (70022704)
KOIZUMI Y. Tohoku University School of Medicine, Departement of Pediatrics, Instructor
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 急性前骨髄性白血病 / retinoic acid / PML / RAR遺伝子 / 分化誘導 / RARαの遺伝子 / RARの遺伝子 |
研究概要 |
急性前骨髄性白血病(以下、APL)は、特異的染色体転座t(15;17)から生じるRetinoic acid receptor-α(RARα)遺伝子とPML遺伝子の異常キメラ遺伝子が本質的病因であると考えられる。一方、前骨髄球における分化阻害を有するAPLはall-trans retinoic acid(以下、ATRA)によって分化阻害が解除され分化成熟が誘導される。この事実は、ATRAの分化誘導作用がキメラ遺伝子によるAPL発症機序と深く関連していることを示唆する。本研究は、この視点からATRAのAPL分化誘導作用を解析するもので、以下の事実を明らかにした。 (1)ATRAによるAPL細胞のサイトカイン応答性の変化 APL細胞のG-CSFあるいはGM-CSFに対する反応性は増殖性優位であるが、ATRA刺激APL細胞は増殖することなく不完全ながら形態・機能的に分化する。これに対して、G-CSFあるいはGM-CSFとATRAの併用によりAPL細胞は成熟優位の応答性を呈する。特に、G-CSFは著明にATRAのAPL分化誘導作用を増強する。この事は、ATRA刺激によりAPL細胞内部でサイトカインに対する応答性が成熟優位な状態に変化することを示唆する。 (2)PML/RARαキメラ遺伝子mRNAの検出と解析 治療前APL患者10名の白血病細胞のキメラ遺伝子mRNAを、RT-PCR法を用いて増幅・検出し、その融合点をAllele specific oligonucletide hybridization(ASO)法を用いて同定した。その結果、1名がPML(exon3)/RARα(exon3)、2名がPML(exon4)/RARα(exon3)、7名がPML(exon6)/RARα(exon3)の融合タイプであることが判明した。また、キメラ遺伝子mRNAはATRAによる分化誘導中不安定なの転写物として存在し、ATRAの分化誘導作用との関連が示唆された。
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