研究課題/領域番号 |
04807094
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山岡 博之 横浜市立大学, 医学部・第2外科, 講座助手 (90230317)
|
研究分担者 |
高橋 正純 横浜市立大学, 医学部・第2外科, 講座助手 (10188055)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | フィブリン / 生物学的修飾物質 / 腫瘍内投与 |
研究概要 |
Tumor Necrosis Facotr-α(TNF)の抗腫瘍効果の増強および副作用の軽減を目的にTNFとfibrin gelの混合製剤を作製し、TNFの徐放性と腫瘍内投与による抗腫瘍効果を検討した。TNFの徐放性の検討では、in vitroではTNFとfibrin gelの混合製剤は、燐酸緩衝液中で約7日間にわたってTNFを放出することがELISA法による解析で明かとなり、in vivoでは抗TNFポリクローナル抗体を用いた免疫組織染色上、投与した腫瘍局所にTNFが約7日間停滞することが確認され、fibrin gelも同様に約7日間、停滞することが確認された。また、抗腫瘍果の検討では、マウス皮下移植腫瘍内(大腸癌細胞株 colon 26)に投与することで強い腫瘍増殖抑制効果を示し、移植腫瘍全体の57%(n=7)で腫瘍は完全に消失し、その後の再発も認められなかった。また、薬剤投与後14日目において残存した腫瘍重量も生理食塩水のみを投与した対照群に比較して有意に減少し、TNFのみを単独で投与した場合と比較しても減少傾向が認められた。病理組織学的検討でも、全例で腫瘍組織の広汎な変性・壊死と多数の単核球の浸潤を認めた。副作用の指標として薬剤投与後のマウス体重を経日的に計測したところ、生理食塩水あるいはTNFを単独で投与したものに比較して TNFとfibrin gelの混合投与では明かな減少を認めなかった。以上から TNFとfibrin gelの混合製剤のin vitroにおける TNF徐放性、in vivoでの局所停滞性、抗腫瘍効果が確認された。
|