研究課題/領域番号 |
04807112
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
須加原 一博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20171126)
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研究分担者 |
田尻 晃彦 熊本大学, 医学部, 助手 (50236527)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 呼吸不全 / 肺表面活性物質 / アポ蛋白 / in situ hybridization / 遺伝子発現 / 肺胞上皮細胞 / 糖尿病 |
研究概要 |
I.培養肺胞II型上皮細胞の増殖・分化と肺特異蛋白遺伝子の発現動態:II型細胞をラット肺より分離しEngelbreth-Holm-Swarm(EHS)上に培養し、インスリンやEGFなどの成長因子で刺激すると細胞のDNA合成が数十倍に増加し肉眼的にも確認できるほどの細胞塊を形成した。抗SP-A抗体でも強く染色されSP-A産生能を持つII型細胞増殖が確認された。細胞増殖に伴う肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子の発現動態をノーザン・ブロット法により検索すると、SP-A mRNAとSP-C mRNAの減少およびSP-B mRNAの軽度増加がみられ、興味深いことにこの変化はin vitroで可逆的であった。現在、II型細胞の増殖を惹起するリポポリサッカライド(LPS)による呼吸不全動物を作製し、抗SP-A抗体によるII型細胞増殖を確認し肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子発現動態を検索している。 II.ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット肺における肺表面活性物質アポ蛋白SP-A,SP-BおよびSP-Cの遺伝子発現:糖尿病ラット肺では2型細胞と気道のクララ細胞が特異的に障害されサーファクタントの合成障害が起こる。SP-A蛋白の免疫染色での染色性低下、ELISA法によるSP-A蛋白測定での低下に反し、in situ hybridization法によるSP-A mRNAの発現検索では、予想に反して過剰発現していた。この過剰発現はノーザン・ブロット法による分析でも確認され、アポ蛋白遺伝子調節にフィードバック機構の存在が示唆された。SP-B mRNAもSP-Aと同様に過剰発現がみられたが、特にクララ細胞に強く発現していた。SP-C mRNAでは逆にコントロール群に比し発現の低下が観察され、気道粘膜上皮細胞には両群ともに発現がみられなかった。3つのアポ蛋白に遺伝子発現の差がみられ、糖尿病病態が3つのアポ蛋白遺伝子発現に関し何らかの制御異常を示しているものと思われた。 III.培養肺胞II型上皮細胞によるDNA修復研究:DNA損傷は癌の発生と密接な関係があると考えられているが、紫外線による肺胞上皮細胞のDNA切断をin situ nick translation法により検討しDNA損傷の修復が確認された。
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