研究課題/領域番号 |
04807154
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 祐一 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (90164798)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アンチセンス分子 / 核酸 / 3重らせん / ハイブリダイゼーション / ヌクレアーゼ / 塩基対合 |
研究概要 |
天然型DNAのデオキシリボース部分全てをその鏡像体で置き換えたものをエナンチオDNAと呼ぶこととし、このエナンチオDNAをアンチセンス分子として利用することを念頭に研究を遂行した。 第1にエナンチオDNAの合成法を確立することが出来た。原料となるエナンチオヌクレオシドはL-アラビノースを出発として短行程・高収率な合成法を開発した。各エナンチオヌクレオシドは常法にてホスホロアミダイトとし、市販のDNA合成機によって任意の塩基配列のものを充分量・高収率・高純度で調製できるようになった。 第2に、アンチセンス分子に求められる性質の1つとして、エナンチオDNAのヌクレアーゼに対する抵抗性を調べた。エナンチオDNAは当初期待したとうり、ウシ脾臓ホスホジエステラーゼや、蛇毒ホスホジエステラーゼによって通常の反応条件下ではほとんど分解されなかった。 第3に、エナンチオDNAと天然型核酸との相互作用を解析した。エナンチオDNAが相補塩基特異的に天然型核酸とハイブリダイズすることが分かったが、加えて注目すべき特性を見い出すことができた。すなわち、エナンチオDNAは相補的天然型RNAと同DNAを区別し、同RNAに高選択的に結合すること、エナンチオDNAが2重鎖よりも3重鎖をはるかに形成しやすいこと、の2点である。 第4に上記の結果を踏まえて、より優れたアンチセンス分子のデザインのための基礎データとして、エナンチオDNAが相補的天然型RNAと形成する3重鎖のコンフォメーション解析をコンピュータを用いて行った。その結果、非天然形3重鎖がマクロに天然形3重鎖に類似した右巻きらせんであることが予想され、非天然型3重鎖形成における高いRNA選択性に対してもコンフォメーション解析レベルでの解釈が得られた。
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