研究課題/領域番号 |
04807156
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
板井 昭子 東京大学, 薬学部, 客員助教授 (60012647)
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研究分担者 |
斎藤 昭一 東京大学, 薬学部, 寄付講座教員 (80231330)
富岡 伸夫 東京大学, 薬学部, 寄付講座教員 (20202202)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | コンピュータ分子設計 / リード創製 / 薬物一受容体相互作用 / 酵素阻害剤 / ジヒドロ葉酸還元酵素 |
研究概要 |
当研究者らは、標的受容体の立体構造が解明されている場合に対応して、論理的なリード創製を可能にする有効な方法論及びそのためのプログラムLEGENDの開発を行ってきた。まず、乱数と力場を用いて、受容体の薬物結合部位の形状にうまくフィットして、分子内・分子間エネルギー的に安定なリガンド分子の構造を構築するアルゴリズムを考案した。 本研究では、受容体との間に選択的で強い結合を実現するため、受容体側にある水素結合官能基やイオン化しやすい側鎖の官能基を自動的に抽出して、それらと相補的な性質の官能基群を備えた構造が出力されるよう、アルゴリズムに改良を加えた。さらに、多数のLEGEND出力構造を別プログラムLOREでエネルギー計算して少数にしぼっていたのを止め、LEGENDの内部で処理して、始めからかなり安定で有望な構造だけが出力されるようにした。その結果、出力構造からリード候補構造を選択する際、直接に合成的観点あるいは総合的な観点から選択できるようになった。 この方法の有効性を検証するために、立体構造既知の酵素で多様な骨格の阻害剤がよく知られている。ジヒドロ葉酸還元酵素の系に適用し、酵素阻害剤のリード候補構造の構築を試みてみた。既知の阻害剤のキー構造と比較するため、1分子の原子数を15原子として200分子生成させたところ、methotrexate、trimethoprimほか、5種の既知阻害剤のキー骨格が含まれており、当研究者らの方法によって、受容体の構造から阻害剤のリード創製ができることを示した。また、出力された構造の中から新規骨格のものを選び、合成が容易なように若干の構造修正を行ってリードを設計してみた。合成した化合物について標的酵素の阻害活性を測定したところ、弱いながら活性が認められた。現在、HIVプロテアーゼなど他の酵素への適用を試みている。
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