研究課題/領域番号 |
04807158
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
本田 進 近畿大学, 薬学部, 教授 (50028841)
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研究分担者 |
鈴木 茂生 近畿大学, 薬学部, 助手 (00154542)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
高性能キャピラリー電気泳動はきわめて高い分離能をもつ優れた分離分析法であるが、基本的にはイオンを対象とする方法であり、電気的に中性な物質を直接対象にすることはできない。また、一般にchromophoreやfluorophoreをもたない物質は折角良く分離されても高感度検出することができない。したがって糖質のような中性でかつchromophoreやfluorophoreのない物質を高成能キャピラリー電気泳動により分析するためには何らかの工夫が必要である。申請者らはこれらの問題に対して誘導体化に基づく方法をとりあげ、詳細な研究を行った。 まず水素化水ホウ素化合物存在下アミノピリジンと反応させ還元末端の炭素にピリジルアミノ基を導入する方法について検討した。この場合誘導体はすべて陽イオン性をもつと同時に紫外部吸収をもち蛍光を発するため、直接的ゾーン電気泳動モードで分離し、高感度検出することができた。また、ホウ酸塩を含むキャリアー中で分析すると陰イオン性ホウ酸錯体としてゾーン電気泳動モードで分離することもできた。 一方、1-phenyl-3-methyl-5-pyrazolone(PMP)と縮合させる方法についても検討を行ったところ、各糖質には2分子づつのPMPが導入され誘導体はエノール基の電離により弱い陰イオン性を示し、かつ強い紫外部吸収を与えることが明らかになった。したがってこの誘導体は直接的ゾーン泳動モードにより分離することができた。ホウ酸塩とのin situ反応により陰イオン性錯体として分離すればさらに良好な分離が得られた。さらにPMPの疎水性を利用してSDSミセル動電クロマトグラフィーモードにより良く分離された。 このような工夫により多数の糖鎖を効率よく分離し、高感度検出することに成功したが、申請者らは高性能キャピラリー電気泳動が多モード分析を得意としていることを利用して、糖タンパク質糖鎖の二次元マッピングを行い、多数の糖鎖を高い信頼性をもって同定・定量するシステムを構築することができた。
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