研究課題/領域番号 |
04807163
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
矢守 隆夫 財団法人癌研究会, 癌化学療法センター・基礎研究部, 主任研究員 (60200854)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞特異的遺伝子導入 / 遺伝子治療 / lambdafoo / ラムダファージ / 遺伝子ベクター / レクチン / プロテインA / 分子生物学 / λfoo / 細胞特異性 / IGF-I / BPA |
研究概要 |
この研究は、バクテリオファージlambdafooベクターを用い、ねらった細胞に特定の遺伝子を導入する技術を確立し、細胞特異的遺伝子治療等へ応用することをめざしている。lambdafooベクターは2つの外来遺伝子のクローニング部位を持つ。第1の外来遺伝子(リガンド遺伝子)は、ウイルス粒子表面に発現し、第2の外来遺伝子(モジュレーター遺伝子)は、動物細胞内で発現するよう工夫されている。本年度は,リガンド遺伝子としてプロテインA(proA)cDNA、モジュレーター遺伝子としてルシフェラーゼ(luc)cDNAのlambdafooベクターへの組み込みと発現を検討した。proAは抗体のFc部分と特異的に結合するため、理論的にはproAを発現したlambdafooを特定の抗体と混ぜるだけでその抗体を表面にもつlambdafooを作成でき、抗体の種類を変えることで様々な抗原に結合するlambdafooを得ることが可能となる。まずlambdafooベクターのテール蛋白質遺伝子の下流へproAcDNAを導入、さらにモジュレーター遺伝子部位へSV40プロモーター下流にluc遺伝子を配したプラスミドDNAを組み込んだ(これをlambdaproA-lucと呼ぶ)。サザンブロッティングによりproAおよびlucのcDNAが組み込まれたことを確認した。ついで抗proA抗体を用いたウェスタンブロッティングによりlambdaproA-luc粒子にproAとテール蛋白質との融合蛋白質が発現したことを確認した。ただし、現段階ではこの蛋白質と抗体Fc部分との特異的結合は証明できていない。これはproA発現時にFc結合部位のフォールディングがなんらかの原因で正しく起こらなかったためと考えられ、現在発現条件の検討を進めている。これ迄リガンド遺伝子としてBauhinia purpurea agglutinin(レクチンの一種)のcDNAとproAのcDNAを検討した結果、いずれもlambdafooベクターへの遺伝子導入迄は技術的に問題ないことが証明できた。今後、lambdafooベクターを改良しリガンド遺伝子の発現効率をさらに高めること、およびリガンド蛋白質の生物活性を保つ条件を確立することで細胞特異的遺伝子導入システムの完成が可能と考えられる。
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