研究概要 |
本研究では新たらしい血小板分子マーカーとしてグライコカリン(GC)とGPM140の2種類についてその臨床的測定と意義について検討した。下記の成果より両者は血詮,〓症の循環障害の把握に有用であった。1.GCおよびGMP140に対するモノクローナル抗体の作整。血小板の溶解液をWGA(wheat germ aggulutinin)のレクチンアフィニティークロマトグラフィーを行い、これをN-アセチルグルコーサミンで溶出し、WGA分画を得た。これを、マウス腹腔内に注入し、通常の方法でモノクローナル抗体を作整した。抗体の特異性は血小板をウエスタンブロット法にて展開し、確認した。その結果、GCに対する抗体2種類(PL52-4,WGA-3)とGMP140に対する抗体2種類(PL7-6,WGA-1)を得た。2.GCおよびGMP140のサンドイッチELISAによる測定。GCの測定はWGA-3抗体を固推化した96穴のマイクロプレートにサンプルを50μl添加し,37℃,1時間反応させた。ついで、POD(パルオキシダーゼ)標識PL52-4抗体50μlを加え、37℃,1時間反応させ,発色剤を加え,光電比色計で比色した。GMP140もWGA-1,PL7-6抗体を用い,同様の方法で測定した。3.GCおよびGMP140の血中濃度。正常人50名での検討では、正常値はGC1459±1020ng/mlGMP140,1676±650ng/mlであった。4.患者抗体での検討。GCは糖尿病患者で増加傾向を示し、血小板保存をすると上昇した。またGMP140は血栓性血小板減少性紫斑病,hemolyhic ureruic syndrme ARDSなどの患者で有意に高値を示したが、人工心肺,人工透析使用患者では変動しなかった。
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