研究課題/領域番号 |
04807173
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 卓 東京大学, 医学部(分), 助手 (60240719)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | β-アドレナリン受容体 / アデニール酸シクラーゼ促進性G蛋白(G_s) / Aキナーゼ / 合成ペプチド / リン酸化 / cAMP |
研究概要 |
我々は増殖因子受容体の1つ、IGF-II受容体が直接G蛋白と共役すること、IGF-II受容体の細胞内領域の14アミノ酸残基(2410-2423)の合成ペプチド(ペプチド14と呼ぶ)が直接G_<i2>を活性化することを証明した。この配列の構造上の特徴から、ペプチドのG蛋白活性化配列モチーフを想定した。このモチーフをβ-アドレナリン受容体に適用したところ、第3細胞内ループに2箇所見いだされた。当該領域配列を合成して調べたところ、その内でN端側の配列にはG_s活性化能はなかったが、C端側の15残基(258-272)領域(βIII-2と呼ぶ)が直接G_sを活性化することが明らかとなった。重要なことはβIII-2のN端のRRSSがAキナーゼによるリン酸化のコンセンサスモチーフであり、262番目のセリンがすでにAキナーゼによってリン酸化されることが知られているということである。そこで我々はまず、βIII-2をin vitroでAキナーゼでリン酸化して、同部位のセリン残基がリン酸化されていることを確認した。興味深いことは、リン酸化されたβIII-2のG蛋白活性化の特異性がG_sからG_iに変換していたことであった。このことから、βIII-2はG_s活性化配列であるが、アデニール酸シクラーゼ、Aキナーゼと活性化される結果、自らがリン酸化を受けて抑制されるというその配列自体に負のフィードバックがかかる特徴を持っていることがわかった。我々は、BIII-2が培養細胞膜の系でcAMP産生を促進することも確認した。以上の結果から、IGF-II受容体によるG_<i2>活性化配列を基にして、G_s活性化配列が発見できたということであり、我々のモチーフが一般にG蛋白活性化配列を見いだすのに有益であるこということが明らかとなった。
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