研究課題/領域番号 |
04808013
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 過酸化脂質 / 老化防止 / ペプチド / アミノカルボニル反応 |
研究概要 |
過酸化脂質は生体内で脂質の酸化により生成され、老化・癌や動脈硬化症などの原因になることが知られている。従って、生体内での過酸化脂質の生成を抑制することは老化を始め、癌・動脈硬化症を予防するために重要である。最近の研究では脂溶性抗酸化剤、例えばビタミンE、植物性フェノール性成分などが生体内で過酸化脂質生成抑制効果があることが報告されている。過酸化脂質生成抑制には脂溶性抗酸化剤だけでは不充分であり、水溶性抗酸化剤も必要であることが知られている。本研究は有効かつ安全な水溶性抗酸化剤を検素するためにペプチドと糖との反応生成物(PGP)の過酸化脂質生成の抑制効果について調べることにした。まず、タンパク質のカゼインをペプシンおよびパンクレアチンで部分的に加水分解し、数種の異なる分子量(500以下、1000以下、5,000以下)のペプチド画分を調製した後、これらのペプチド画分をグルコースと反応させ、in vitroで一番強い抗酸化性を示すPGPを選び、ラットに約2ヶ月投与した。その後、ラットの血液成分、肝臓中の過酸化脂質量(TBA値およびケミルミネッセンス値)を測定した。その結果、血中成分はほとんど変化がなかったが、ラット肝臓中の過酸化脂質量はPGPを抑えなかったラット群より減少し、PGPは生体内で過酸化脂質の生成を抑制することがわかった。さらに、過酸化脂質の生成抑制機構を調べるために、過酸化脂質を誘発する活性酵素(過酸化水素)をPGPが消去する作用があるかどうかも検討した。その結果、PGPを添加した方が過酸化脂質生成量が少ないことがわかった。この結果から、PGPには活性酵素を消去する作用があることが明らかになった。以上の結果からPGPは生体内において過酸化脂質生成抑制効果があることが立証された。我々の食生活の中でPGPは味噌・しょうゆ・菓子類などの食品中に含まれている。従って、老化を抑制する観点からPGPは有用なものと考えられる。
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