研究概要 |
1.既にパッシブ型のラドンモニタによるラドン濃度の測定でを行っている居住空間について,アクティブ型のラドン濃度計:ラドンWLメーター(カナダT/N社製)で経時変化の測定を行った。 (1)大部分の教室・居室等気密性の悪い部屋のラドン濃度は,24時間周期の濃度変化をした。 (2)窓枠がアルミサッシ等で比較的気密性の高い部屋のラドン濃度は,平日は(1)と同じ様な24時間周期の濃度変化を示したが,その平均濃度は(1)より高かった。また土曜日・日曜日・休日等は日中の減少がなくラドン濃度の蓄積が見られた。 (3)本校の計算機センターの端末室,機械室では,ラドン濃度は空調機のON/OFFと直接対応し,かつ平均値は約300Bq/m^3[EEC],最高値は約1,000Bq/m^3[EEC]で両者はそれぞれ法令の「管理区域」,「空気中濃度限度」(告示別表1)の値とほぼ一致している。 2.5年生の1クラス(33名)の学生の自宅の寝室及び軒先にパッシブ型のラドンモニタを設置しラドン濃度の測定を行っている(継続中)。これら学生の呼吸状態を知るため,オートスパイロメーターによる肺気量の測定を行った。安静時の呼吸量(TV,一回換気量)の測定は,測定時被測定者の緊張が解けず,データーばらつきが大きく,測定方法の改善(訓練)の必要がある。 3.改訂が進行中のICRP30の新肺モデルの解説記事等を参考に計算方法を考究した。 4.[計画] 新年度(平成5年度)は,民間の研究助成(日産研究財団)を得て, (1)測定済の各部屋をラドンWLメーターで再測定し,ラドン濃度の経時変化を調べる。 (2)2年生(2クラス),4年生(2クラス)合計160名の学生の自宅の寝室及び軒先にパッシブ型のラドンモニタを設置しラドン濃度の測定を行い,かつ全員オートスパイロメーターによる肺気量を行う。3年間で茨城県内のほぼ全市町村の予備測定を終える。 (3)以上の測定と学生の生活時間調査から,学生の肺線量の推定を行う。
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