研究課題/領域番号 |
04808038
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
遠藤 匡俊 岩手大学, 教育学部, 助教授 (20183022)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アイヌ / 江戸時代 / 本拠地 / 集団の流動性 / 人口減少 / 家族 / 狩猟・採集民 / 蝦夷地(北海道) |
研究概要 |
漁撈・狩猟・採集生活をしていたアイヌが、和人の影響を受けるようになった段階で、2種類の集団の流動性が確認されている。しかし、集団の流動性の原因とメカニズムは不明であった。平成6年度の研究目的は、集団の流動性の原因とメカニズムを探ることであった。 家レベルの流動性では、高島場所では2回以上の家間移動者が多く、個人の家間移動が激しく生じた原因は、高い死亡率と離婚である。とくに配偶者との死別・離別によって、親子・兄弟姉妹の居住する家へ移動したり、再婚のために他家へ移動するために2回以上の移動が生じ、家構成員は流動的に変化していた。紋別場所と根室場所においても、高島場所と類似した原因とメカニズムによるものと推測される。今から約1万年前に農耕が開始されて以来、狩猟・採集民の居住地域は次第に狭まり、人口が減少してきた過程において、家構成員の流動性が生じていた可能性がある。とりわけ、家族が同じ家屋に同居する社会,つまり別々の家屋に居住する者どうしのネットワークによる相互扶助ではなく、同居することによって相互扶助を行うことが重要である社会においては、家族構成員が流動的に変化していた可能性がある。こうして、家族構成員の分業と相互扶助によって漁撈・狩猟・採集活動を主体とする生活が営まれたものと考えられる。 集落レベルの流動性では、新婚夫婦が分家して独立した世帯を形成し、しかも単系的ではなく双系的な居住形態をとる社会においては、集団の流動性がより高いことが考えられる。
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