研究課題/領域番号 |
04831007
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
山口 修平 島根医科大学, 医学部, 助手 (80135904)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 大脳連合野 / 事象関連電位 / P300 / 側頭頭頂移行部 / 前頭前野 / 視空間注意 / 記憶 |
研究概要 |
大脳連合野は一次感覚野からの情報を処理統合し、認知、記憶、判断などの高次機能を果たす部位と考えられているが、本研究ではその電気生理学的基盤について検討した。事象関連電位とくにN2およびP300成分を指標として、それに及ぼす大脳連合野病変の影響を見た。まず多種感覚連合野である側頭頭頂葉移行部の病変ではN2は保たれたにもかかわらず、P3a,P3bともに著明に低下した。これは刺激様式、刺激部位を変えて記録しても同様であった。一方頭頂連合野の病変ではN2の低下を認めたがP3に関してはほぼ正常であった。さらに前頭連合野の病変では、標的刺激に対するP3bは正常であったが、新寄刺激に対するP3aは刺激様式にかかわらず低下した。従って側頭頭頂移行部連合野が感覚情報の統合と記憶、判断に関与する部位との接点として、重要な働きをしていることが示唆された。前頭連合野に関しては、高次な判断機能に加え、受動的、自動的な認知機能にも関与していると考えられた。前頭葉の機能障害が存在すると考えられているパーキンソン病でもP3aの異常が認められ、それが裏づけられた。頭頂葉連合野の機能に関しては視覚形態識別刺激、体性感覚刺激ではP3に影響は及ぼさなかったが、視空間認知機能に重要な働きをしていると考えられており、まず正常人で視空間認知機能をみる刺激パラダイムを確立した。それにより刺激後160msecから300msecの間に視空間注意の転換に関連した新たな事象関連電位を記録した。今後この電位を指標として頭頂葉連合野の機能局在に関する生理学的検討が可能となることが期待される。
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