研究概要 |
マシニングセンタは,工具マガジンに複数の工具を取り付け,自動工具交換装置(ATC)が工具を使い分けながら,多品種の製品を加工する.加工製品の切り替え毎に工具交換を行なうと,段取り時間が発生し,マシニングセンタの生産性向上を阻害する.使用工具の共通性が高い製品をうまくグループ化し,グループ内製品の加工に必要な工具群(工具モジュール)を工具マガジンに同時に取り付け,工具交換なしにグループ内製品を連続生産し,製品グループの切り替え時に,工具モジュールを丸ごと交換することで,工具交換作業の大幅な削減,段取り時間の短縮,生産性の向上が可能となる.本研究は,使用工具の共通性が高い製品をグループ化する問題を,二部グラフ上の最適化問題として把握し,数理計画法を援用し,その解法(アルゴリズム)を開発し,計算機ソフトウェアとして実現することを目的とした. 昨年度は,申請者が先に発表した「無段取り最長期連続加工」可能な工具モジュールの成果を,「最小の工具交換で加工」可能な工具モジュールを求める問題に拡張するため,(1)工具交換作業を最小とする工具モジュールを求めるアルゴリズムの開発,(2)プロトタイプの計算機プログラムをインプリメントを行った. 本年度は,インプリメントした計算機プログラムの性能を確かめるため,(3)その実用性に関する計算機実験を行った.さらに,(4)現実の生産現場での実務データに対して,前年に開発したアルゴリズムを適用した結果,実用化可能であることが判明した.
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