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産業災害事故生起特性のフラクタル理論によるモデル化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04832019
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 社会システム工学
研究機関横浜国立大学

研究代表者

関根 和喜  横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40017934)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード災害統計分析 / 産業災害事故 / フラクタル / ハインリッヒの法則 / スケーリング則 / 工場火災 / 社会システム
研究概要

本研究は、社会システムの複雑な構成要素を包含した産業災害事故の発生に関する統計的特性を、フラクタル理論の概念を用いてモデル化し、新しい災害統計分析手法の提案を行ったものである。今年度に得られた成果は以下の通りである。
まず、災害の発生件数とその被害の大きさとの関係、すなわち災害の階層構造についてフラクタル理論の立場から分析を加えた。災害の発生頻度とその被害規模との間には、ハインリッヒの法則に代表される規則性があるとされている。このハインリッヒの法則で示される災害事象生起則には、フラクタル理論で取り扱われる自己相似性、およびスケーリング則という共通した概念が存在することを明らかにした。
フラクタル事象とは、あるスケールの範囲内で、一部分を次々と縮小または拡大しても、元と相似な構造となる自己相似性を有する事象のことである。この自己相似性を定量的に特徴づける量が自己相似次元(又はフラクタル次元)と呼ばれるものである。災害が階層構造を有して生起することは、被害の大きさをスケールにとると、その採用するスケールの大きさによって、災害事故として数えられものの数が、ある一定の法則性をもって変化するという、フラクタル事象におけるスケーリング則を有していることを示している。これを多くの工場災害事故に関する損害データを収集・整理し、解析することによって立証した。この災害の階層構造を量的に示すスケーリング指数は、大規模事故と中小規模事故の発生頻度比を反映する指数であり、模式的には被害規模hとその規模以上の災害の超過累積頻度p(h)を両対数紙上でプロットしたときの傾きの絶対値として示される。そしてこのスケーリング指数は、大きくなるにつれて大規模な災害の発生頻度が急激に低下することから、大規模災害の起こりにくさの程度を示す指標であり、広義のフェイル・セーフ機構の機能度を統計的に明示した指標として利用できる。このことを各種工場の火災保険事故データを一般物件と、安全基準の厳しい特定物件とに分けて分析し、特定物件のスケーリング指数が一般物件のそれよりも大きいという事実によって例証した。
以上の災害生起の統計的特徴をシミュレートするパーコレーション・モデルを構築して、それに基づく計算機プログラムを開発し、シミュレーションを行った結果、生起特性をよく説明するものが得られた。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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