研究課題/領域番号 |
04833011
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子細胞生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
舛本 寛 名古屋大学, 理学部, 助手 (70229384)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | セントロメア / キネトコア / 抗セントロメア抗体 / CENPーB / アルフォイドDNA |
研究概要 |
ヒトセントロメア領域に局在する繰り返しDNA配列(アルフォイドDNA)に結合し、セントロメア特異的な高次構造形成にかかわることが予想されるCENPーBについて細胞内での機能を調べるため以下の解析を行った。1.CENPーBをN末、中央、C末の三つのドメインに分け、T7プロモーターにつなぎ大腸菌で発現させたところ、N末及び中央の領域については十分に蛋白を生産しN末領域は精製することに成功した。しかしC末の酸性アミノ酸が長く続く領域を含んでいると大量に生産させることが困難であった。2.精製したCENPーB N末を抗原に用いマウスとウサギに免疫し抗体を作成中である。弱いながら抗原に対するポリクローナル抗体は生産し、染色体セントロメアを認識することは確認しているが、モノクローナル抗体の作成には成功していない。引き続き抗体価を上げる努力をするとともに、ウサギポリクローナル抗体及び抗セントロメア抗体を持つ患者血清からCENPーB特異的な抗体をアフィニティ精製することを検討している。3.CENPーBの細胞内での機能を調べるため、患者由来抗セントロメア血清をHeLa細胞核に注入した結果、対照に比べて明らかに分裂期で停止する細胞が増加することが確認できた。この結果はセントロメア抗原蛋白が染色体分配に関与していることを示唆しているが、CENPーBの機能を限定するためには今後アフィニティ精製した抗体を用いて解析を進める必要がある。4.CENPーBが結合するアルフォイドDNA領域のクロマチン構造をマイクロコッカルヌクレアーゼを用いて調べたところ、ヌクレオゾーム2量体に相当する特殊なクロマチン構造をとっており、CENPーBはそのリンカー部に結合することが判明した。今後この特殊なヌクレオゾームをリンカーライゲーション法などを用いて濃縮し、関与する因子を解析していく予定である。
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