研究課題/領域番号 |
04835006
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
惑星科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 學 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80115550)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 低温氷 / 衝突破壊 / 惑星形成 / クレータ形成 / 衝撃波 |
研究概要 |
本研究遂行のため北海道大学低温科学研究所に設置した高圧ガス利用の衝突実験装置を使用してH_2O氷の衝突破壊実験を行った。特に外惑星環境の温度条件(100K以下)の低温氷の衝突破壊と.これまでの実験研究(255K,クレータ形成およびカタストロフィックな破壊)で得られた結果を整理して衝突破壊のメカニズムを解明することを目的として実験研究を行った。 1.液体窒素温度で作成した低温氷をそのままの温度に制御した衝突破壊実験では、静的な圧縮変形実験から得られている材料強度の増加に対応した結果、即ち破壊に要する衝突エネルギーの一桁近い増加が255Kの氷に比べ必要であることが実験的に判明した。またより塑性的に破壊が進行することも明らかになった。 2.低温氷の微小破片分布は、255Kの氷や岩石の場合と同様に破片の累積個数が破片質量のベキで表されるという結果が明らかになった。しかしそのベキ指数は255Kの氷や岩石に比べ有意に大きく、微小領域の破片がより多く生成された。 3.氷の衝突破壊に対する弾丸の材料依存性(弾丸に氷、金属および岩石を用いた場合、同じ衝突エネルギーで衝突してもクレータのサイズや形状、破片分布に差がある)を衝突時における弾丸自身の破壊による衝突継続時間の違いであると推測し、氷標的中にAEセンサーを埋めこんで衝撃波のパルス波形の観測をおこなった。その結果は氷の弾丸が衝突時に破壊され、継続時間が弾丸中を衝撃波が一往復する時間の6割程度しかないことが判明した。この結果は氷衛星表面でのクレータ解析の重要な手がかりと制約を与えるものである。 4.衝突点からの距離とパルスの到達時間の走時から255Kの氷はIh・相からIII、IVおよびVの高圧相を経ていることも明らかにした。
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