研究概要 |
惑星科学的に興味の深い物性-エンスタタイト,フオルステライト,カーボン,フラーレン,スピネル,アルミナ,シリコンカーバイト等について,その製法,構造,生成モデル実験など多岐にわたって,超微粒子を主体にして実験を行った。その成果は,地球電磁気学会誌,結晶成長学会誌,太陽系シンポジウムプロシ-デング,Planetary and space science等に掲載および印刷中,投稿中の運びとなっている。3年間の研究成果をもとにして,ガス中蒸発法の概要も含めて報告書の形にした。 この研究で明らかになったことの主なものをあげると,超微粒子と薄膜の反応法を使うことによって,通常行なわれている合成温度の約半分の温度で合成できる鉱物がある。同じマグネシウムを含むエンスタタイトとスピネルについて,拡散成長の違いを明確に示すことができた。この方法は今後物質合成や反応の初期過程の研究へと広く展開できる見透しとなってきた。粒子サイズによる反応特性のモデル実験へと計画は進行しつつある。 カーボンの粒子とその構造,光吸収の関係を明らかにし,カーボン粒子サイズやカーボン粒子一ケ一ケを構成するマイクロクリスタリツトサイズを交代させる実験法確立し,フラーレン粒子の多量生成法を見い出した。超微粒子の構造と赤外スペクトルとの相関関係を明らかにしていく実験法の重要性を明らかにすることができ,今後増々発展させらいる分野となった。 種々の方法で作ったアルミナの構造と赤外吸収スペクトルとの関係より,これまでの構造に関する論文の間違いが解り,現在のところこの主な結果を南極隆石シンポジウムで公表,論文とする予定である。
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