研究課題/領域番号 |
04836019
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岸川 正大 長崎大学, 医学部, 助教授 (80112374)
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研究分担者 |
近藤 久義 長崎大学, 医学部, 助手 (00170431)
栄 美保子 (〓 美保子) 長崎大学, 医学部, 助手 (70244051)
井関 充及 長崎大学, 医学部, 助手 (50176252)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 放射線損傷 / 原爆被爆者 / 中枢神経 / 加齢 / 老年期痴呆 / アルツハイマー / リポフスチン / SAM / 老化 / 脳 / 神経原線維変化 / 老人斑 / 原爆 |
研究概要 |
放射線障害と脳の加齢性変化としては、脳の血管壁の変化が知られてはいるが、血管性痴呆を含む老年期痴呆との関連での研究はほとんど見られない。そこで本研究者は、放射線損傷としての脳の機能障害およびその形態学的・病理疫学的な基礎研究をおこなった。 1.原爆被爆者および非被爆者の脳を組織学的・免疫組織学的に検索した。特に原爆被爆による老人斑や原線維等の、老化の指標となる形態学的変化の原爆被爆による増加の有無を検討した。 その結果、脳の老化に関連した変化が被爆者に多いと言う仮説を支持するような値は得られなかった。 2.照射線量が既知のマウスを使用して、脳の形態学的変化を光顕および電子顕微鏡を用いて検討した。脳内の毛細血管内皮細胞と血管壁に若干の変化を見るも、放射線照射群と対照群との間に明らかな脳機能障害上での差違を来す程の形態学的な変化は認められなかった。 3.被爆者を多数擁する長崎市と、自然高放射線地域として知られている中国・広東省陽江地区の住民についての老年期痴呆の疫学調査をおこなった。 多数の被爆者を擁する長崎市における老年期痴呆の有病率は、日本や外国の他の地域のそれを上回ることはなく、さらには自然高放射線地域での老年期痴呆の有病率も対照地域のそれとほとんど同じであった。 すなわち、単一の高放射線障害であれ、長期間の微量放射線の被曝であっても、老年期痴呆の発生とは因果関係がほとんど無いことが分かった。
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