研究課題/領域番号 |
04F04003
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
樽井 正義 慶應義塾大学, 文学部, 教授
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研究分担者 |
CASTRO-VAZQUEZ G 慶應義塾大学, 文学部, 外国人特別研究員
CASTRO‐VAZQUEZ G 慶應義塾大学, 文学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 在日ラテンアメリカ人 / HIV感染者 / AIDS患者 / コミュニティー / 心理的圧力 / CBO / NGO |
研究概要 |
厚生労働省HIV/AIDS動向調査委員会によると、2004年末までに報告された感染者の28%、発症者の24%は外国人である。その第一位は東南アジア出身者だが、これにラテンアメリカ出身者が続き、その数は合計で200名を優に超える。しかし、これら外国人への対応は困難であり、その基礎となる研究も、これまでは医療機関や支援団体への調査が中心で、外国人自身、それもHIV陽性者を直接対象としたものは少ない。まずは現状の把握が求められる。ラテンアメリカ出身男性20名の面接調査とその結果の分析。サンプリング方法:病院の紹介で4人、浜松の某財団の紹介で5人、snowball-sampling法で11人。分析方法:対象者一人に6回各60分面接を行った。3人は東京都、2人は埼玉県、15人は静岡県で実施。対象者から同意を得てインタヴューを録音し、それを起こしエスノグラフ(Ethnograph)によって内容データとして整理した。データにはコードを付け、システミック・ネットワーク理論(Systemic networks)、フェミニスト理論(Holland et.al. 1998)と社会平等批判の枠組み(critical social justice framework, Crock 2001)に基づいて分析した。研究においては、滞日ラテンアメリカ人感染者の受診における問題点を、インフォームド・コンセントの現状を中心に、母国語による面接調査と、その結果の分析を行ってきた。そして、彼らの日本社会における立場の弱さ(無防備性)を、一つには多国籍のゆえに国民と同等の医療を享受できない現状、さらにはよそ者意識により自ら増幅させている受診への消極的姿勢(市民性)に、もう一つには外国人と疾病とに関する医療者の無理解と偏見、および自らにおける性的指向と疾病との関係の未整理(セクシュアリティ)に求め、考察すべき論点を明らかにした。ラテンアメリカ出身の陽性者に関する貴重な研究を通じて日常的に国内研究者と交流し、学会発表を行って国内・海外の学会に研究成果を還元した。
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