研究課題/領域番号 |
04F04121
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
豊田 耕三 (2005) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授
吉藤 正明 (2004) 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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研究分担者 |
FREYTAG Matthias 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高周期元素化学 / ヘテロ原子化学 / 低配位リン化合物 / 配位子 / 遷移金属錯体 / 錯体触媒 / 立体保護基 / ジホスファプロペン / 金属錯体 / ホスファアレン / ジホスファフルベン / 金錯体 / 硫化 |
研究概要 |
かさ高い置換基の速度論的安定化効果を受けたリン・炭素二重結合を含む化合物(ホスファアルケン類)を配位子として、新規な金錯体の合成と構造解析について検討した。配位子として、2-メチルスルファニル-1-ホスファエテン類、1,3-ジホスファプロペン類、1,2,4-ジアザホスホール類、および1,4-ジホスファ-1,3-ブタジエン誘導体を用いた。その結果、金原子に硫黄原子よりもリン原子が優先して配位することや、複数のリン原子を有する配位子の場合にはそのリン原子それぞれ一つずつ金に配位すること等が明らかとなった。複数個の金が含まれた複核錯体では、引力的なaurophilic相互作用によって、分子内で金どうしが近接していることが構造解析から明らかとなった。これまでに報告されているホスファアルケン-金錯体とは異なり、配位子に含まれるかさ高い置換基の効果によって金クラスター構造をとることが抑制されているために、分子間での明確な金-金相互作用は見られず、超分子的分子間接触は観察されなかった。その一方で、配位子に複数のリン原子が含まれていて、また分子構造が比較的剛直な場合においては、その構造を歪ませてまでも複数の金原子へ配位する現象や、本来安定な配位子のコンホメーションが金への配位によって大きく変化していく様子が観察された。続いて、得られた金錯体を用いた応用研究として、有機反応触媒としての機能性に関する検討を行った。アセチレン化合物に含水アルコール中、金錯体存在下で塩酸を作用させたところ、金錯体のアセチレン活性化を経る水の付加によって最終的にケトン類が得られることを見いだした。また、アセチレンとオレフィン構造を含むエンイン化合物と金錯体を銀塩の共存下で反応させると、やはり金錯体によるアセチレン活性化を起点とした環化異性化反応が進行し種々の環状化合物へ誘導できることを見いだした。
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