研究課題/領域番号 |
04F04172
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
応用ゲノム科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 修一 大阪大学, 生命機能研究科, 教授
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研究分担者 |
CARLOS Castillo 大阪大学, 生命機能研究科, 外国人特別研究員
CALROS Castillo 大阪大学, 生命機能研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / 花粉 / 授精 / プロテオミクス / プロテインキナーゼ / 受精 / 蛋白質リン酸化酵素 |
研究概要 |
植物の授精は、雌しべの柱頭に着いた花粉が発芽し、花粉管が伸長して胚珠に到達して起こる。花粉-雌しべ間の相互作用により引き起こされる外的/内的シグナルを介して、数多くの蛋白質が、花粉管の発芽・伸長を促進したり抑制したりしてこの過程を制御している。これらのシグナルやその伝達系路についてはまだ不明な部分が多い。そこで、我々は、シロイヌナズナ花粉の蛋白質をプロテオミクスの手法を用いて解析することで、花粉管伸長や、授精に関わる重要な蛋白質を同定することを目的として研究を行った。 シロイヌナズナ約3000花分の花粉より蛋白質を抽出し、二次元電気泳動で展開、PVDF膜に転写後CBBで染色し、35のメインスポットを得た。これらをトリプシン消化後、質量分析計(LC MS/MS)で解析したところ、21のスポットについて、シロイヌナズナ蛋白質と同定できた。 また、シロイヌナズナにおいて、タバコのプロテインキナーゼPK1、PK2と高い相同性を持つ遺伝子のクローニングも行った。このタバコのキナーゼは、花粉/花粉管で特異的に発現しており、花粉の発生や花粉管伸長に重要な役割をしていると考えられている。RT-PCRの結果、シロイヌナズナでも、このキナーゼは、葉や根にはなく、花でのみ発現していた。次に、このキナーゼと、花粉/管内での役割がよく研究されているRop1遺伝子をGST融合タンパク質として大腸菌で発現させた。発現蛋白質は精製が困難であったため、C末端にStrep tag2を付加させた別の発現ベクターも構築し、現在発現蛋白質の精製を行っている。以下、アフィニティキャプチャー法により、精製したGST融合蛋白質と相互作用する花粉蛋白質をSDS-PAGEで分析し、特異的なスポットについてはゲル内消化後、MS/MS解析で同定、遺伝子のクローニング、構造解析を行う予定である。 同様の方法で、タバコのPK1、PK2のGST融合タンパク質について、タバコ花粉抽出液中に、相互作用する蛋白質を検索した。特異的なスポットがいくつか観察され、MSで解析を行ったところ、elongation factor、メチオニン合成酵素、ヒートショック蛋白質が同定された。確認のため、再度実験を行っている。 タバコ、シロイヌナズナ双方の結果を比較することで、このシグナル伝達系についてより信頼性の高い情報が得られると期待される。
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