研究課題/領域番号 |
04F04208
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福代 康夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授
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研究分担者 |
MURRAY SHAUNA A. 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 渦鞭毛藻 / 底生性渦鞭毛藻 / 有毒渦鞭毛藻 / Prorocentrum / 遺伝子塩基配列 / LSU rDNA / Prorocentrum lima / 生物広域化 |
研究概要 |
プロロセントラム属の有毒底生性渦鞭毛藻には、魚貝類の成長を阻むだけでなく、人間に下痢性貝毒を引き起こす毒を生産する種が知られており、このような毒生産性のある種はアジア太平洋地域など世界のきわめて広い範囲で発見されている。これらの種の地理的相同性と広域化機構を解析するため、北海道、能登半島、広島、沖縄の屋久島、久米島、阿嘉島、奄美大島において確立した10株の培養株に、オーストラリア、インドネシア、フィリピンなどで採集し、研究室で保存している株を加え、全17株を用いてリボソームのLSU rDNAのD1-D6部位など進化速度が非常に早く多様化しているITS領域の遺伝子塩基配列を解析した。また、形態についても電子顕微鏡などで精査した。 LSU rDNAを用いた分子系統解析の結果、プロロセントラム属は単系統群となり、さらにその単系統群が底生性種を主体とするクレードと浮遊性種を主体とするクレードに分かれた。これは、異なる生態特性をもつ底生性種と浮遊性種が遺伝的に早く分化したことを示すものである。LSUだけでなくrDNAのSSUおよびITS領域を用いて、世界各地から集めた代表的な底生性種のプロロセントラム リマ(P.lima)を分析したところ、太平洋、カリブ海、大西洋の3つのクレードに分かれることが明らかになったが、各クレード内の類縁および形態の変異との関係を解明することはできなかった。 なお、今研究の期間に北海道から採取されたプロロセントラムの一種は今まで記載されていない新種であることが判明し、その記載準備を現在進めている。
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