研究課題/領域番号 |
04F04248
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小西 郁生 信州大学, 医学部, 教授
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研究分担者 |
HAMID A Atia 信州大学, 医学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / hepsin / maspin / 進展 / 子宮内膜 / Hepsin / Maspin |
研究概要 |
子宮内膜癌の発生頻度は、近年わが国において急速に増加しており、その発生・進展機序の解析はきわめて重要である。本研究は、従来の当研究室における研究成果を基盤として、外国人特別研究員Atia A.Hamid博士と共同して、子宮内膜癌に関する研究を行った。セリン・プロテアーゼのhepsinおよびセリン・プロテアーゼ阻害因子のmaspinは、近年、癌の発生・進展に重要な役割を果たすことで注目されている。そこで、正常子宮内膜36例、内膜癌50例でこれらの発現を免疫組織学的に検討し、性周期との関連性および癌の臨床病理学的所見と比較した。 正常子宮内膜ではhepsin、maspinともに、その腺上皮細胞の核内に中等度陽性に発現しており、性周期による明らかな変化は認められなかった。子宮内膜癌のmaspinの発現をみると、進行期I期の癌では一般にその発現が弱く、ほとんど陰性の症例もみられ、合わせて70%が陰性または弱陽性であった。すなわち、maspin発現は癌化の過程で減弱化すると考えられた。ところが、進行期が進むにつれてmaspin発現は中等度陽性例が増加し、II〜IV期では全体として中等度ないし強陽性例が逆に60%を占めていた。また、組織学的gradeでもG1症例に比し、G2-3症例でmaspin発現が増強する傾向が認められた。hepsin発現の検討については抗体が手に入らない事態となったためpreliminaryな結果であるが、ほぼmaspin発現と同様の傾向がみられている。 以上の結果から、子宮内膜癌の発生過程において、hepsin, maspinともに、いったんは発現が低下するが、進展および脱分化とともに再び両者ともに発現が増強し、癌の進展に関わっている可能性が示唆される。
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