研究課題/領域番号 |
04F04438
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
柿木 隆介 生理学研究所, 統合生理研究系 感覚運動調節研究部門, 教授
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研究分担者 |
WANG Xiaohong 生理学研究所, 統合生理研究系 感覚運動調節研究部門, 外国人特別研究員
X Wang 生理学研究所, 統合生理研究系, 外国人特別研究員
WANG X 生理学研究所, 総合生理研究系, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 脳波 / 脳磁図 / 痛覚 / 注意 / 睡眠 / 喫煙 / ニコチン / 除痛 / 脳磁図(MEG) / 痛み(Pain) / Somatosensory / 脳時図(MEG) / 睡眠(sleep) / 痛み(pain) |
研究概要 |
本年度は主として3つの研究テーマについて研究を行った。 1.痛覚認知に対する注意、覚醒度、睡眠の影響 痛覚刺激としてレーザー光線を用いて脳波と脳磁図を記録した。痛み刺激に注意を傾けると反応の振幅は有意に増大した。睡眠時での記録では、うとうと状態(Stage 1)では著明に振幅が低下し、軽睡眠(Stage 2)ではほぼ消失した。聴覚、視覚あるいは触覚刺激ではこのような著明な変化はおこらず、これは痛覚認知に特有の現象と考えられた。(Wang et al.,Neuroscience,2005;Kakigi, Wang et al : Pain and Sleep (書物の1章)、2007)。 2.大脳皮質に最も早く到達する痛覚シグナルの検出 脳波や脳磁図では、手を刺激後、約150msecで最初の反応が記録されると従来は考えられてきた。しかし、最近、もっと早く到達する信号がある可能性が動物実験によって示されている。本実験では、特殊な解析法を用いることにより、約100msecに出現する成分の検出に成功した。この成分がこれまで記録されなかった理由として、Signal-to-Noise ratio (S/N比)が低いため、通常の解析法ではノイズに埋もれて記録されなかったものと考えられる。(Wang et al.: Experimental Brain Research,2007)。 3.ニコチン(喫煙)が痛覚認知に与える影響 従来より、ニコチンには除痛作用があるという説があるが、人間では証明されていなかった。日常喫煙者を対象として、半日の禁煙後に実験をおこなった。実験は喫煙の前後に痛覚刺激としてレーザー光線を用いて脳波と脳磁図を記録した。すると、喫煙後に有意に自覚的な痛みの程度の上昇と脳波反応の増大が見られた。これはニコチンの除痛作用を世界で初めて証明した実験である。(Wang et al.:投稿準備中)
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