研究課題/領域番号 |
04F04502
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 良一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, グループ長
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研究分担者 |
HE Chunquing 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ポーラス薄膜 / 陽電子消滅 / 空孔評価 / 陽電子寿命 / トライブロックコポリマー |
研究概要 |
平成16年度に引き続き産業技術総合研究所電子加速器施設の高強度低速陽電子ビームラインの計測系の整備を行い、特に飛行時間型ポジトロニウム分光装置を改良し、試料温度可変の実験を行うことを可能にした。この高強度低速陽電子ビームを用いて機能性ポーラス膜の成膜条件と微視的構造の関係を明らかにするため、EO-PO-EOトライブロックコポリマーを使って成膜条件を変えたメソポーラス膜を準備し、低速陽電子ビームを用いた計測法のほかに赤外フーリエ分光法、電界放出型走査型電子顕微鏡、エリプソメータ等の他の計測法も用いて評価を行った。低速陽電子ビームの測定は、電子加速器で発生した高強度低速陽電子ビームを用い、これを短パルス化したエネルギー可変の陽電子を試料に入射し、試料から放出されるγ線の放出時刻を精密に測定することにより、陽電子の寿命スペクトルを得た。この時の陽電子の入射エネルギーを2〜4keVとすることにより、膜の中だけの陽電子寿命スペクトルを計測した。また、ナノ空孔の連結・開放性評価のために、陽電子寿命・波高2次元測定法及び飛行時間型ポジトロニウム分光法を用いてポジトロニウムの放出の有無を調べた。この一連の実験の結果から、ナノ空孔の連結性がプリカーサ溶液の保持時間によって拡大する、空孔サイズはテンプレートの材料に依存する、大きな空孔は分子質量の大きなコポリマーをテンプレートとしたシリカ膜で形成されるといったことを明らかにした。また、海水の分離膜として有望なポリアミドの薄膜やメソポーラス空孔構造を有するMCM-41なども低速陽電子ビームを用いた測定法で評価した。これらの成果を国際会議・研究会で報告すると共に、論文としてまとめ国際雑誌等に投稿した。
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