研究課題/領域番号 |
04F04558
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
下田 正彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 主席研究員
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研究分担者 |
SHARMA Hem Raj 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 準結晶 / 表面 / 薄膜 / クラスター / STM |
研究概要 |
本研究は、準結晶の触媒活性の機構を探るために、清浄準結晶表面上に作られたミクロな金属クラスターからなるモデル触媒系を構築し、ガス分子の解離吸着など触媒反応にかかわる基礎課程に関して研究することを目的としている。そこで、(1)清浄準結晶表面の創出とキャラクリゼーション、(2)モデル触媒系の構築とキャラクリゼーション、(3)モデル触媒系とガス分子の反応、の研究を計画した。その結果、(1)については、i相準結晶(i-)Al-Pd-Mnとi-Al-Cu-Ruにおいて、清浄5回対称表面の作成に成功し、STMでその表面構造を観測した。特にi-Al-Cu-Ruの清浄表面作成に、世界で初めて成功した。これらの表面のSTM像を詳細に解析し、以前に解析したi-Al-Cu-Feの表面と比較分析したところ、これら3つの準結晶の5回対称表面の構造は、すべて我々が提案した"interlayer spacing rule"で説明できることを見出した。これはi相準結晶の安定表面生成が、構成元素が異なるにもかかわらず共通の規則に従うことを示したという点で、準結晶研究上の重要な成果である。同時に、本研究の計画においても、モデル触媒の基板として比較対象可能な3つの異なる表面を手に入れた点で高く評価できる。 (2)については、i-Al-Cu-Fe5回対称表面上にCuのナノクラスター作成を試みた。リーチングでi-Al-Cu-Fe粉末の表面に生ずると考えられるCuのナノクラスターが生じると推定されるからである。しかしながらi-Al-Cu-Fe5回対称表面上にCuクラスターを成長させることはできなかった。そこで、別の系としてi-Al-Pd-Mn上にPdクラスターを成長させることを計画している。これは結晶相ξ'-Al-Pd-Mn合金の表面ではPdクラスターが成長することが判っており、この結晶がi-Al-Pd-Mnと類似構造をもつことから同様の結果が期待できるからである (3)については、今後の研究で取り組む予定である。
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