研究課題
特別研究員奨励費
神経・筋疾患は難治性のものが多く、しばしば致死的である。死に至らない場合でも、知的・身体的障害が強く残るため、患者の生活の質は著しく限定される。本研究は神経難病である多発性硬化症や多発性筋炎の動物モデルを多角的に分析して、発症機序を解明する。平行して、ヒト疾患の病態分析を行い、動物モデルで得られた結果がヒト疾患にも当てはまるかを検証しつつある。さらに、動物モデルを用いて、病変形成に関与するケモカインの受容体を組み込んだDNAを作製・投与して疾患の予防・再発抑制を図る。朴研究員はこのプロジェクトで主に病理学的検索を分担し、病態の進行や病変を構成する免疫細胞の特性解析、免疫療法の効果の判定を行った。とくに、MOG(myelin oligodendrocyte glycoprotein)を免疫して誘発した慢性再発性、あるいは二次進行型脳脊髄炎において、病理検索を行い、初期のT細胞を中心とする炎症期の後、主に抗MOG抗体が脱髄を引き起こすことを見出した(Brain,2004)。さらに、擬似ケモカイン受容体遺伝子が再発性自己免疫性脳脊髓炎の再発期を抑制することが示された(J.Neuroimmunol.,2005)。これらの研究に主に形態学的検索から、朴研究員は貢献した。
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J.Immunol. (印刷中)
J.Neuroimmunol. 170
ページ: 49-61
Brain 127
ページ: 2201-2213