研究課題/領域番号 |
04F04605
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
網塚 憲生 新潟大学, 超域研究機構, 教授
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研究分担者 |
LI MINQI 新潟大学, 超域研究機構, 外国人特別研究員
LI MinQi 新潟大学, 超域研究機構, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 致死型軟骨無形成症 / FGFR3遺伝子欠損マウス / 軟骨細胞 / 軟骨内骨化 / 血管内皮細胞 / 関節軟骨 / 骨芽細胞 / 変異型FGFR3 / アポトーシス / VEGF |
研究概要 |
四肢短縮型小人症の一つである致死型軟骨無形成症(TD:thanatophoric dysplasia)の発症原因は変異型線維芽細胞増殖因子受容体III型(FGFR3)で誘導される骨・軟骨異常に起因することが知られている。これまでに、我々は軟骨細胞の分化段階に対するFGFR3の作用機序を副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)との比較で検討を行うと共に、ヒトTDサンプルの組織病理解析を行ってきた。しかし、これらは全て胎生期におけるFGFR3シグナルが軟骨・骨に及ぼす影響を検討したものであり、成人(成獣)を念頭に置いた解析が必要と考えた。そこで、我々はアメリカ・ワシントン大学・David Ornitz博士とカナダ・マッギル大学・Janet Henderson博士の協力を得て、成獣のFGFR3遺伝子欠損マウスの試料を関節軟骨および骨組織の異常を解析した。成獣期(生後4ヶ月)FGFR3遺伝子欠損マウスでは、関節軟骨における軟骨細胞の肥大化が若干亢進し、また、野生型マウスと比較すると骨量がやや増加するものの、骨基質の石灰化は低下傾向を示した。このことは、FGFR3シグナルの欠乏は、成獣期においても胎生期同様に軟骨細胞の肥大化への分化亢進、さらには骨芽細胞の増殖を促進するが、一方で、その成熟化を抑制するために骨基質石灰化が低下する可能性が推測された。さらに、FGFR3欠損状態では無秩序に増大した肥大化軟骨細胞の石灰化誘導が長軸方向に行われないため、軟骨内骨化部位における血管内皮細胞の軟骨侵入も抑制されていた。このように、FGFR3シグナルはヒト・マウス間、また、胎生期・成獣期ともに同じ作用を示すことが確認された。現在、本年度の成獣FGFR3マウスの所見結果をさらに発展させ、学会発表・論文化を進めている。
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