研究課題/領域番号 |
04F04713
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
大槻 主税 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授
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研究分担者 |
GOODRIDGE Ruth Davina 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 選択的レーザー焼結法 / 生体活性 / 結晶化ガラス / 擬似体液 / アパタイト / ウォラスナイト / ウォラストナイト |
研究概要 |
病気やけが、老化で損傷した骨や歯を修復するために、骨と結合する性質(生体活性)を示すセラミックスが用いられている。超高齢社会を迎え、その製造技術の水準をより高める必要がある。選択的レーザー焼結法は、コンピューター上で設計した微細構造をもつセラミックスを容易に作製できる製造技術である。そこで、生体活性を示すガラスを選択的レーザー焼結法により焼結・結晶化させることができれば、患者の損傷部位に合わせたオーダーメイドの硬組織修復材料の作製が容易にできると期待される。 昨年度は、CaO-SiO_2-P_2O_5-CaF_2系ガラスを通常の溶融急冷法により作製し、このガラス粉末を一軸加圧成形した後、加熱処理を施すことにより、アパタイトとウォラストナイトを析出した結晶化ガラスを得た。ただし、これらの結晶化ガラスの曲げ強度を調べたところ、従来の生体活性を示す結晶化ガラスが100MPa以上の値を示すのに対し、10MPa程度しか示さなかった。結晶化ガラスを観察したところ気孔が多数残存しており、結晶化ガラスを作製する際にガラス粉末の焼結が十分に進んでいなかったためと考えられる。そこで本年度は、この系にNa_2Oを添加したχNa_2O・(48-χ)CaO・45SiO_2・5P_2O_5・2CaF_2組成で結晶化ガラスの作製を試みた。Na_2Oを2mol%(χ=2)添加するだけで、ガラス粉末の焼結が起こりやすくなり、緻密な結晶化ガラスが得られた。しかも、擬似体液(SBF)中においてその表面に骨類似アパタイトが形成するのに要する期間が短くなった。すなわち、高い生体活性を示す可能性があることが示された。 これらの結果より、Na_2O-CaO-SiO_2-P_2O_5-CaF_2系ガラスを選択的レーザー焼結法で焼結・結晶化させれば、生体活性を示す結晶化ガラスが得られると期待される。
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