研究課題/領域番号 |
04J00071
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷川 とみ子 京都大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | リテラシー / 読み書き能力 / 公教育 / 文化的リテラシー / 批判的リテラシー / アメリカ合衆国 / リーディング・リカバリー / 初等教育段階 |
研究概要 |
本研究は、公教育を通じて育成すべきリテラシーの内実と、その教育方法について考究することを目的としている。とりわけ、本年度は、アメリカ合衆国におけるリテラシー論議に焦点をあてて、その理論的基盤と実践レベルについての検討を重ねた。同国では、近年No Child Left Behind(どの子も置き去りにしない)法が制定されるなど、基礎学力(リテラシー)の育成に力を入れることが社会的課題となっている。そのなかで、文化的リテラシー論と批判的リテラシー論の相克に着目し、論争の解明をすすめた。 第一に、文化的リテラシー論の理論的検討を深めるため、実践校での具体的な授業を分析した。その際、入門期の読み書き能力をどのように指導しているのかに着目し、実践校ておこなわれているリーディング・リカバリー・プログラムの特質を明らかにした。このプログラムは、No Child Left Behind法の動きのなかで特に成果をあげているものとしても注目されている。 第二に、従来、文化的リテラシー論と対抗するものとして位置づけられてきた批判的リテラシー論の検討も進めた。ジルーらの提起した批判的リテラシー論を検討することで、文化的リテラシー論との関係を読み解く枠組みづくりをおこなった。より具体的には、ジルーの批判的リテラシー論が「教育学」としてどのような構想をもっているのかを明らかにするとともに、彼の推奨する入門期のリテラシー実践として、作文教育におけるプロセス・アプローチを検討した。 第三に、以上の検討を踏まえつつ、文化的リテラシー論と批判的リテラシー論の関係について、リテラシー教育における「批判」概念に焦点をあてて分析した。 これらを通して、現代アメリカ合衆国におけるリテラシー論議を読み解くとともに、日本におけるリテラシーの実践として生活綴方の検討もおこなった。
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