研究課題/領域番号 |
04J00094
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横川 和穂 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ロシア / 市場経済化 / 地方財政 / 地方公共サービス / 住宅・公益事業 / 税源配分 / ソフトな予算制約 / 中央集権化 / 市場移行 / 制度構築 / 地方自治体 / 地方分権化 / 財政連邦主義 / プーチン政権 / 財政改革 / 地方自治制度 / 政府間財政関係 |
研究概要 |
まず、昨年度ロシアで行った資料収集の成果をもとに、ロシアの代表的な地方公共サービスである住宅・公益事業に焦点を当て、市場移行過程におけるサービス供給の方法と、それに関わる地方財政の役割の変化について分析を行った。その結果、90年代には自治体から地方公営企業への価格補助を通して、安価な住宅・公益事業サービスが住民に普遍的に供給されていたものの、2000年以降は価格補助の削減と公共料金の引き上げが行われ、受益者負担に基づくシステムに置き換えられつつあること、またその過程で住宅・公益事業部門の財政状況が悪化していることが明らかとなった。この成果は移行経済研究の専門誌である『比較経済体制研究』に発表した。 次に、ロシアの地方自治体の財政収入について、約15年間の移行過程でどのような形で自治体の財政基盤の整備が進んできたのか、税源配分を中心に改革の動向と制度的特徴について考察を行った。地方自治体の税源は90年代には連邦・地方政府間での税収分割システムによるものが中心であったが、2000年以降の中央集権化期には各政府間で税源を明確に分ける方針がとられ、自治体の税源は大幅に縮小された。その原因について自治体と企業の関係に注目して考察を行った結果、90年代は地方自治体が非公式な権限の行使も含め、法人への課税を通して地域の企業に過剰な介入を行ったり、逆に企業への減免税の形でソフトな予算制約を維持していたが、2000年以降の改革によってこうした社会主義時代から引き継がれた自治体と企業の関係を分断することが意図されていることが明らかになった。これについては今後改訂の上で公表する予定である。 最後に、これまでまとめた研究成果にロシアの地方財政研究の動向についてのレビュー、および地方財政制度の構築がロシアの市場経済化プロセスにおいて持つ意義に関する考察を加え、論文として取りまとめた。
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