配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
今年度は,これまで行ってきた研究を発展させるとともに,成果のとりまとめを行った.高解像度領域モデルを用いた3次元回転成層乱流の研究においては,昨年度に引き続いて,大規模強制からの応答が成層度にどう依存するかに着目した数値実験を実施した.その結果,力学強制が地衡流モードのみで構成される場合であっても,非線形相互作用を通して自発的に重力波モードが生成されること,メソスケールに見られる-5/3乗則のエネルギースペクトル領域の形成に,重力波モードによる高波数領域へのエネルギー輸送が重要な役割を担っていることが明らかとなった.また,回転および成層度に関する一連のパラメター実験により,水平波数エネルギースペクトルに見られる遷移スケールが定性的にロスビーの変形半径に依存することを示唆する結果が得られた.これらの研究成果については,複数の国際学会で報告するとともに,IUTAM国際シンポジウムの査読付論文誌に投稿した. また,球面浅水系に現れる赤道ジェットに関する研究も昨年度に引き続き発展させた.今年度は赤道ジェットの加速メカニズムを調べるために,弱非線形モデルを用いて波によって引き起こされる東西平均流の加速を求めた.一連の数値実験と理論的考察により,その加速メカニズムは二種類に分類できることが分かった.第一のメカニズムは,赤道に向かって伝播するロスビー波束の局所的な南北波数の増大によるものである.第二のメカニズムは,基本流が赤道域にシアーを持つ場合に赤道波が南北に傾くことにより,波による運動量輸送が基本場のジェットを強化するセンスに働くことに起因している.これらの加速メカニズムは従来指摘されてこなかった新しい成果である.本研究成果を国内外の学会で報告するとともに,Journal of the Atmospheric Sciencesに投稿,受理された.
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