研究課題/領域番号 |
04J00545
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤岡 篤弘 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 映画史 / ニュース映画 / 映画受容 / 野外映画 / 観客 / メディア・イベント / 日本映画史 / 都市(盛り場)と映画 / 映画館 / 公共空間 / メディア / 余暇 |
研究概要 |
本研究者は、日本の戦前期における公共空間での映画上映制度やその受容の歴史について、おもに以下の3点から調査・研究をおこなった。 1.ニュース映画館研究 1930年代半ば以降、日本の都市部を中心に隆盛したニュース映画館について、その誕生にいたった経緯、ならびに興行形態や機能を検証した。ニュース映画館はその名称とはうらはらにニュース映画を専門に上映する映画館ではなかった。それは短篇映画を専門に上映する短時間興行制の映画館として自己定立し、立地条件や建築上の新機軸が、近代化する都市の映画観客の欲望と見事に合致し、大都市部を中心に一定の隆盛をみたのである。よってその存在はかならずしも戦争との直接的な結びつきはなく、戦後はその機能をテレビが受け継いだといえる(論文「近代化する都市の映画観客--ニュース映画館の形態と機能」近刊『シネマスタディーズ』)。 2.「スクリーンご対面」研究 1937年の日中開戦後にみられた「スクリーンご対面(観客がニュース映画の画面に出征した近親兵士を発見する事象)」はひとつの社会現象として特化し、新聞紙面をにぎわしたが、一部知識人が新聞の「ご対面」報道に抱いた気恥ずかしさや訝しさといったネガティブな反応や、映画『なつかしの顔』で見られた(見られなかった)留守家族の涙は、隠しても浮かび上がってくる新聞言説の大仰さの綻びを明らかにした(日本マス・コミュニケーション学会秋季研究発表会にて口頭発表)。 3.野外映画研究 1910年代以降、常設映画館以外での映画上映の試みとして、大手新聞社主催による大都市圏での野外映画イベントが幾度となく開催された。そこでは常設映画館とは異なる都市住人の映画体験があったが、なかでも皇族の姿を撮影したニュース映画の野外上映会は、そのたびに日本全国でおびただしい数の観客を動員した(論文「野外上映映画の諸相--戦前期の日本の大都市圏における映画イベント」)。
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