研究課題/領域番号 |
04J00614
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北澤 正清 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | カラー超伝導 / 前駆現象 / カイラル相転移 / 擬ギャップ / QCD / ギャップレス超伝導 / ボース・アインシュタイン凝縮 |
研究概要 |
昨年から引き続き、カラー超伝導およびカイラル相転移の前駆現象、特に凝縮場のゆらぎがクォークの準粒子描像にもたらす効果の研究を精力的に行った。特に本年は、昨年の時点で得られていた興味深い結果の背後にある物理的機構を深く掘り下げ、論文としてまとめる作業を中心に研究を行った。 私は今年度、まず昨年度に得られていたラー超伝導の臨界温度近傍ではクォークスペクトルがフェルミ面付近でギャップ的な構造を持つことに着目し、このような現象がフェルミエネルギー近傍のクォークの粒子とホール間の共鳴対散乱現象として理解できることを示し、この成果を五月に論文として投稿し、九月に出版された。その一方で、カイラル相転移の臨界温度近傍では、クォークのスペクトル関数が三つのピークを持ち、特に低運動量では低エネルギー領域に鋭い準粒子ピークが出現するという複雑な構造を持つことを示し、またこの結果がカラー超伝導の臨界温度近傍で見られた共鳴対散乱によるギャップ的構造の出現とのアナロジーとして理解できることを説明した。これらの結果は十月に論文としてまとめ投稿し、一月に出版された。 その一方で本年度は、五月からの約半年間ドイツのフランクフルト大学に赴き、Rischke教授らと密度が異なった粒子間の超伝導状態に関する基本的な研究を行った。特にこのような系では強結合系においてギャップレス超伝導状態が安定に存在するという興味深い結果を得た。この研究において、これまでに培ってきた「強結合系としてのカラー超伝導」という問題意識を土台に置きつつ、研究対象を物性物理およびハドロン物理で近年問題になっている基本的な問題へと広げることができた。
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