研究課題/領域番号 |
04J00836
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金森 主祥 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ゾル-ゲル法 / 有機-無機ハイブリッド / 相分離 / マクロ多孔構造 / 共連続構造 / 微小空間 / ピラー構造 / コーティング / シロキサンゲル / 多孔体 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 画像解析 |
研究概要 |
相分離を伴うゾル-ゲル法にて共連続マクロ多孔質のシロキサン系ゲルを作製する場合、相分離構造の特徴的な大きさである周期長程度の空間内で構造形成反応を行うと、空間界面の影響を受けて相分離構造が顕著に変化することを見出した。本年度は、制限空間として微小流路やマクロ多孔質ゲル鋳型を用い、空間界面の影響を利用した異方性構造制御を試みた。 断面が矩形の扁平状キャピラリー中にて、相分離によるシロキサンゲルの多孔構造形成を行った場合、空間サイズと周期長の相対的な大きさに応じて、均質な共連続構造から重力と鋳型界面の影響を受けたピラー型構造、さらには完全濡れにいたることを示した。相分離構造の周期長に比べ、キャピラリーのサイズが十分大きいときは均質な共連続構造を示したが、相分離構造の周期長が長くなると、鋳型界面への濡れによって界面付近のゲル骨格が伸張し、さらに重力によってより高密度なゲル骨格成分が沈降することによってゲル骨格の伸張部分がさらに延伸し、ピラー構造へと転移した。さらに相分離構造の周期長を長くすると、伸張したゲル骨格はレイリー不安定性により球状に断裂し、完全濡れに至った。 共連続構造シロキサン系ゲルのマクロ孔内にて相分離構造形成を行った場合、多くの条件で完全濡れに至ることが明らかとなった。特に、疎水性の高いメチルシロキサンゲルを鋳型とした場合、前述のような鋳型の空間サイズ/相分離構造の周期長の比に関わらず完全濡れを示すことが明らかとなった。これは、分相する二相のうち、界面エネルギーの小さいゲル成分に富む相が空間界面に濡れる際、疎水性相互作用によりさらに強い引力相互作用を示すためであると考えられる。 これらの異方的な濡れ現象は、物質の高速分離が可能なピラー型カラムや、微小空間内部の厚膜コーティングに応用可能であると考えられる。
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