研究課題/領域番号 |
04J00977
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 青山学院大学 (2005) 京都大学 (2004) |
研究代表者 |
小林 謙一 青山学院大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | GP2 / THP / GPI-アンカー型タンパク質 / 腎臓 / thick ascending loop of Henle / ナトリウムイオントランスポーター / エキソサイトーシス / エンドサイトーシス / GPIアンカー型タンパク質 / 膵臓腺房細胞 / チモーゲン顆粒 |
研究概要 |
THPが、ナトリウムイオントランスポーターの輸送及び再回収と関与していることをin vivoで明らかにする目的で、ラットを用いて尿中ナトリウムイオン変化の検討を行った。その結果、通常飼育下では、尿中THP分泌量、pH、Naイオン濃度及び尿量には、日内変動が観察された。つまり活動期では食餌摂取によって、Naイオン濃度が増加すると共に尿量、pH、尿中THP分泌量も上昇した。一方、非活動期になると食餌摂取が低下することでNaイオン濃度、尿量、pHと共に、尿中THP分泌量も低下した。このことより、尿pH依存的なTHPの遊離によって、ナトリウムイオン再吸収を調節している可能性が示唆された。 絶水条件下では日内変動が崩れ、pHは徐々に低下し、絶水48時間でpH6付近にまで低下し、尿中Naイオン濃度、尿量、THP分泌量も低下した。また、絶水60時間後の腎臓組織を抗THP抗体による免疫組織学的解析を行った結果、イオン再吸収細胞膜上に顕著な局在を示したことから、THPが細胞膜から遊離されず、膜上に留まっていることが確認された。 その後再給水すると、水及び食餌摂取が再開されると共にpH、尿量、Naイオン濃度、尿中THP分泌量が上昇した。THP遺伝子発現は、絶水条件にすると低下したが、イオントランスポーターであるNKCC2遺伝子発現には、影響はなかった。 この結果より、糸球体を通過する原尿中のpHが7以上になるとTHP遊離活性が上昇し、pHが7以下になると低下するという、THP遊離酵素による調節がはたらいていることが示唆された。また、このようなpH依存的なTHP遊離機構の調節によって、イオントランスポーターを含む膜成分の再回収を制御していることが示唆された。
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