研究課題/領域番号 |
04J01085
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安東 正隆 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 銀河形成 / 銀河進化 / 高赤方偏移銀河 / 銀河天文学 / 観測的宇宙論 |
研究概要 |
すばる望遠鏡による可視分光観測で得られた、JOO53+1234領域にある赤方偏移5付近のライマンブレイク銀河(LBGs)のデータを解析し、主な分光対象であった5つの明るい(z<25.Omag)LBGs候補天体のうち、2つの天体を赤方偏移5付近のLBGsと同定した。この2天体とも、星形成銀河に特徴的な水素のライマンα輝線が検出されたが、ライマンα輝線天体として検出されるほど強い輝線ではなかった。また、この2天体のうちの一方には、以前Hubble Deep Field North領域で得られた分光結果と同様に、星間物質中の金属による吸収線が検出された。さらに、JOO53領域で同時に分光した8個の暗いLBGs候補天体のうち、2天体を赤方偏移5付近のLBGsと同定した。この2天体のスペクトルは、明るい天体のそれとは対照的にライマンα輝線が非常に強いものであった。この結果を契機に、赤方偏移5付近の銀河におけるライマンα輝線強度の紫外光度依存性について、これまでに行われている他の赤方偏移5付近の銀河の分光結果を合わせて調べたところ、紫外光度が大きい銀河に関しては、静止波長系での等価幅が20Åを超えるような強いライマンα輝線がほとんど見られないこと、強いライマンα輝線が見られる境界が紫外絶対等級で-21.5等付近にあること、などがわかり、高赤方偏移宇宙における紫外光度に依存した銀河進化の可能性を指摘した。さらに、これまでの赤方偏移5付近のLBGsのスペクトルのうち、低電離の金属吸収線が検出されたものを使って、その金属量を見積もったところ、太陽の10分の1程度であることがわかった。また、Spitzer宇宙望遠鏡のデータ等を用いた星質量の見積もりと合わせることで、赤方偏移5付近のLBGsが、同じ星質量を持つ赤方偏移2付近の星形成銀河と比べると数分の1程度の金属量を持っており、星質量がある程度重い(太陽の100億倍程度)銀河では、宇宙初期の約20億年の間で相当の化学進化があった可能性を指摘した。
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