研究課題/領域番号 |
04J01119
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中嶋 大 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | X線CCD / 電荷転送効率 / すざく / 電荷注入 / スーパーバブル / 宇宙線加速 / X線 / X線天文衛星 / XIS / X線天文学 / 飛翔体検出器 / Astro-E2 / 較正試験 / 応答関数 |
研究概要 |
日本のX線天文衛星すざく搭載X線CCDカメラ(XIS)の軌道上較正を主導的に行った。具体的には、衛星搭載X線CCDとしては世界初の機能である電荷注入機能を用いて電荷転送効率(CTE)を測定した。CTEとは入射X線によって生じた電荷を読み出し口まで転送する際どれだけ損失せずに転送できるかを示すパラメタであり、ゲインやエネルギー分解能などCCDの基本性能を左右する。CTEの値は軌道上で受ける放射線損傷により時間的に単調増加し、また1000を超える数の転送列ごとに異なる値を持つ。このため転送列ごとに頻繁にCTEを測定する必要がある。XIS以前のX線CCDでは放射性同位体を用いた較正線源による測定しか行えなかったためこのような測定は不可能だった。そこで筆者はXISの電荷注入機能を用いて、転送列ごとのCTEを高精度測定しXISのエネルギー分解能を向上させた。この成果は投稿論文として来年度に出版予定である。また、大質量星からの強い星風及び連鎖的超新星爆発の複合作用によって形成される大規模シェル構造スーパーバブル(SB)のX線観測及びデータ解析を行った。現在、我々の銀河系内起源の宇宙線の加速源としては単一の超新星残骸(SNR)での衝撃波加速が最有力候補であるが、この場合銀河系内最高エネルギーまで加速できないことが問題になっている。SBは単一SNRに比べ粒子加速時間が長いために、系内最高エネルギーまで加速できると予想される。筆者は銀河系内及び大マゼラン雲内の計4つのSBからのX線を観測した。その結果大マゼラン雲内のSB 30 Dor Cにおいて電子が約90TeVのエネルギーまで加速されていることを明らかにした。
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