研究課題/領域番号 |
04J01261
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加茂 倫有 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ホスホリパーゼD / リポソーム / 水和度 / 側方圧 / 非ラメラ相形成脂質 / 最大初速度 / パッキングストレス / キュービック相 / ラメラ相 / キュボソーム / 蛍光測定 / 膜結合性ペプチド / 時間分割蛍光異方性 |
研究概要 |
非ラメラ相形成脂質の導入によって変化する脂質膜の物理化学的性質がホスホリパーゼD(PLD)の反応性に及ぼす効果を評価するために、PLDのレシチン加水分解反応の脂質組成依存性を評価した。実験としてはリポソームにPLDを添加し、レシチンの加水分解によって生じるコリンをコリン電極を用いて経時的に定量した。種々の割合のレシチン/モノオレイン(PC/MO)混合リポソームに対するPLDの反応を測定したところ、リポソーム中でのMOの割合に依存して反応速度が増加することが判明した。また、反応初速度の基質濃度依存性をMichaelis-Mentenの式で評価し、見かけの最大初速度Vmax(app)を算出したところ、Vmax(app)はMOにより増加することが判明した。MOの代わりにジアシルグリセロール(DG)を用いても、リポソーム中のDGの割合の増加とともにPLDの反応速度は増大した。 前年度までの研究から、PC/MO混合膜はMOの割合に依存してアシル鎖領域の側方圧が増加するとともに界面領域の水和度が増加することが明らかになっている。これはMOの導入により膜脂質の極性頭部間が広がることを意味している。この広がりにより、膜表面でのPLDの反応部位へのアクセシビリティーが増加するということが考えられる。これがPLDの反応性がMOやDGなどの非ラメラ相形成脂質によって増加する原因である。以上のようにして、非ラメラ相形成脂質によってもたらされる脂質膜の物理化学的性質が酵素反応に影響を与えることが示された。
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