研究課題/領域番号 |
04J01951
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
秋山 晋吾 明治学院大学, 国際学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | トランシルヴァニア / 18世紀 / ギリシャ・カトリック / ハプスブルク / 民衆騒擾 / 18世紀史 / ハブスブルク |
研究概要 |
本年度は、研究目的である1760年代トランシルヴァニア西部山岳地帯で発生したカトリックと正教の教会合同への反対運動・再改宗運動に関するハンガリーにおける文書館史料の調査および収集を中心に、研究作業を遂行した。主に前年度にハンガリー国立中央文書館所蔵の資料群からマイクロフィルム化したトランシルヴァニア財務省直轄領史料(MOLF234)、トランシルヴァニア侯国庁文書(Erdelyi Kancellaria Acta Generalia)の解読、整理を行った。その過程で、当該地域の人口構造、支配構造、宗教分布を明らかにし、対象となる住民の運動の具体的な様相を把握することに努めた。これらについては、順次発表する準備を進めている。 また、前年度史料翻訳・解題として発表した17世紀末のトランシルヴァニア国制に関する2つの勅令の分析を踏まえて、国制の中心をなした三ナティオ体制および四公認宗派体制がハプスブルク宗主権受入によって蒙った変化を、制度的・理念的に分析する作業を平行して進めている。 これら社会史的分析と制度・理念史的分析を総合すると、17世紀末の国制の変化は、独立侯国期には多様な等族特権に立脚する緩やかな枠組みであった三ナティオ体制と四公認宗派体制を、ナティオと宗派(ひいては文化)に収敏させた。そのなかで進められたローマ・カトリックと東方正教会の合同は、そうしたナティオ=宗派・文化の結合を強化するものとして機能した。18世紀中期の反教会合同運動は、この結合に抵抗するものとして展開されたが、その沈静化の過程で、かえってその結合の強化に転用されていった。これが、18世紀末に開始されるルーマニア人の国民運動の社会的・理念的基盤を準備した。
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