研究概要 |
800nmの炭化ケイ素粒子(SiC A,75-95%)と30nmの炭化ケイ素粒子(SiC B,5-25%)を混合した。この炭化ケイ素粒子を20vol%含む0.05-0.3Mの硝酸イットリウム溶液(pH5)に、平均粒径200nmのアルミナ粒子を炭化ケイ素/アルミナ/イットリア=1/0.0117/0.0094-0.013(体積比)になるように混合した。SiC AとBは類似したゼータ電位を示した。Y^<3+>イオンは負に帯電した炭化ケイ素に吸着した。SiCサスペンションへの分子量10000のポリアクリル酸(PAA)の添加は、負に帯電したSiC表面に吸着するイットリウムイオンの量を増加させた。SiC AへのSiC Bの添加は粒子ネットワークの生成を促進し、サスペンションの粘度を増加させた。その結果、SiC成形体の充填密度はSiC Bの添加により減少した。このサスペンションを石膏板でろ過、乾燥後、1950℃で加圧焼結を行った。混合粉体((75-95)vol% SiC A-(5-25)vol% SiC B)の多孔質成形体は1000℃付近から緻密化し、1950℃での加圧焼結後に相対密度97.3-99.4%に達した。SiC AへのSiC Bの添加は密度を増加させ、SiC焼結体の粒子サイズと欠陥サイズを減少させた。SiC B(5-25%)の添加は曲げ強度を増加させた。しかしながら、破壊靱性の向上は認められなかった。イットリア量の増加は焼結性の向上に効果があったが、強度と破壊靱性を減少させた。SiC焼結体のワイブル係数は5.9から12.1であり、SiC Bの添加によるワイブル係数の増加は認められなかった。 平成16年度に作製したポリチタノカルボシラン添加と無添加の炭化ケイ素焼結体のAr中の電気伝導度は、800℃でそれぞれ0.5と0.2S/cmで、大きな違いは認められなかった。
|