研究課題/領域番号 |
04J02337
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 基礎生物学研究所 (2006) 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設) (2004-2005) |
研究代表者 |
矢野 覚士 基礎生物学研究所, 植物発生遺伝学研究部門, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 陽葉と陰葉 / 葉の発生制御 / 葉肉細胞の軸性 / systemic signaling / 光環境応答 / 糖シグナル / 光合成 / 細胞分裂 |
研究概要 |
陸上植物は生育する光環境に応じて陽葉と陰葉を形成する。現在までに、陽葉と陰葉を生理学的、生態学的に比較した研究が数多くおこなわれてきたが、その発生・分化過程、特に制御機構を解析した研究は数少ない。報告者が明らかにした事として、陽・陰葉への分化に成熟葉の光環境が大きく影響を与える事、陽葉形成時の細胞層数の増加は付加的な細胞分裂を伴わず、分裂方向の変化によって達成されている事、などが挙げられる。これらの事は、成熟葉から新しい葉へのlong-distance signalingが存在し、そのシグナルに応じて葉の発生プログラムが変更される事を意味している。本研究の一つの目的は、このシグナルがいったい何であるか?という事を明らかにする事である。陽・陰葉化に関わる光認識機構は、光受容体、光合成電子伝達系の酸化還元状態、光合成産物である糖の量などが考えられる。糖に関してはシンク・ソースの関係があるので、成熟葉から新しい葉へのシグナル候補として最も期待された。このためシロイヌナズナを糖含量の異なる培地上で培養し、葉の形態を比較した。しかしながら、葉の厚さは糖濃度に依存した増減が見られなかった(平成17年植物学会大会、平成18年日本植物生理学会年会で発表)。このため、スクロース以外の票因も葉の発生を制御していると考えられる。 葉の厚さ方向への細胞分裂・伸長の制御には、細胞が厚さ方向への軸性をもつ事が必要条件となる。どうやって細胞が厚さ方向への軸性を認識しているか?を遺伝学的に明らかにする事が本研究の2つ目の目的である。葉の厚さに関しては、これまでにわずかに報告例があるが、陽葉・陰葉化に関わっている可能性のあるものは無かった。そこで、新規に変異体をスクリーニングする事にし、強光環境下で葉の厚さに野生型と差異を示す変異体を複数単離した(平成18年植物学会大会で報告)。現在これらの変異体の解析作業を開始している。
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