研究課題/領域番号 |
04J02429
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 愛弓 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 栄海 / 勧修寺 / 東寺観智院 / 釈教三十六人歌仙絵 / 真福寺大須文庫 / 北条貞時 / 南北朝時代 / 講式 / 後宇多法皇 / 後醍醐天皇 / 東寺 / 真福寺 / 密教 / 和歌 / いろは歌 / 和歌陀羅尼観 / 猿投神社 / 密教僧 |
研究概要 |
今年度は研究対象である密教僧栄海について、勧修寺、東寺観智院、真福寺大須文庫、高野山大学図書館の資料を調査しつつ、以下のような学会発表、論文発表を行った。 まず説話文学会における口頭発表「聖教に記された夢-慈尊院栄海の夢想記述-」では、これまであまり論じられることのなかった、栄海の夢の記事について分析し、これを栄海の宗教世界と文学活動の接点として考察した。そして会場からのご教示などを活かして、論文(『説話文学研究』受理)を執筆した。次に仏教文学会における口頭発表「『釈教三十六人歌仙絵』の編纂-栄海における和歌と国家-」では、栄海撰述の絵巻『釈教三十六人歌仙絵』を中心に、栄海が日本という国家を支える「真言」として、和歌を重視していたことを論じた。また論文「栄海作『滅罪講式』について-その本文の特徴と背景-」では、栄海が晩年に作文した『滅罪講式』を分析し、その制作には、南北朝の争乱で死んでいった人々の魂を慰め、彼らが怨霊となって国家に害をなすことを避けるという意味があったことを論じた。さらに論文「『応長元年具支日記』について」では、若き日の栄海が関東で灌頂を受けている事について検討し、その灌頂を援助したのが北条貞時であり、貞時と繋がりの深い武士たちの出入りが、具体的に記録されていることを発表した。 そして論文「慈尊院栄海の活動と言説」では、これまでの研究の成果を踏まえて、栄海の一生について総合的にまとめ、彼の宗教的、社会的活動が、彼の著作活動、文学活動と強く結びついていたことを明らかにした。 以上の研究によって、これまで伝記集『真言伝』の作者としてしか知られていなかった栄海の活動の全貌が判明した。
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