研究課題/領域番号 |
04J03318
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古川 健太郎 東北大学, 大学院農学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アスペルギルス属カビ / シグナル伝達 / 高浸透圧応答 / HOG経路 / 抗真菌剤 |
研究概要 |
アスペルギルス属カビは、産業上有用なAspergillus oryzaeやA.nigerなどの他に、病原性を有するA.fumigatusやA.flavusなどが存在し、カビ(糸状菌)特異的に効<シグナル作動性の抗真菌剤の開発が求められている。本研究では、アスペルギルス属カビのモデル生物であるA.nidulansの高浸透圧応答経路(AnHOG経路)に着目し、AnHOG経路のシグナル伝達機構の全容解明とこの経路を標的とした新規抗真菌剤のスクリーニング系の開発を目的としている。平成17年度は主に以下の研究を進めた。 シグナル作動性抗真菌剤のスクリーニング系の開発 平成16年度までに、AnHOG経路の遮断や恒常的活性化はA.nidulansの生育に悪影響を及ぼすことを明らかにした。このことから、AnHOG経路を標的とした抗真菌剤の開発が可能であると考え、抗真菌剤のスクリーニング系の開発を行った。AnHOG経路依存的に転写制御を受ける遺伝子のプロモーター領域にレポーター遺伝子を連結し、ストレス刺激時にレポーターの活性が経路依存的に上昇することを指標として抗真菌剤のリード化合物をスクリーニングする方法である。具体的には、グリセロール3-リン酸デヒドロゲナーゼ(gfdB)のプロモーター領域(-1000〜-1)を単難し、β-グルクロニダーゼ遺伝子(GUS)あるいは緑色蛍光タンパク質遺伝子(GFP)に連結したものをA.nidulansに導入した。1M NaClなどの高浸透圧刺激によってレポーターの活性上昇が親察され、AnHOG経路を遮断するような変異体を宿主にした場合には活性上昇は観察されなかった。さらに、AnHOG経路を恒常的に活性化し致死を引き起こす薬剤であるフルジオキソニル処理によってもレポーターの活性上昇が観察された。以上の結果から、本レポーター発現系はAnHOG経路を標的とする薬剤のスクリーニングに有効であると言える。これは、糸状菌のシグナル伝達系レポーター発現系としては世界で最初の例である。
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