研究課題/領域番号 |
04J03698
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 (2006) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (2004-2005) |
研究代表者 |
光藤 宏行 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 立体視 / 視覚情報処理 / 眼球運動 / 回旋輻輳 / 錯視 / 運動視差 / 遮蔽情報 / 両眼間非対応情報 / 回旋両眼網膜像差 / コントラスト / 視覚探索 / 両眼非対応特徴 / 両眼網膜像差 / 心理物理学 |
研究概要 |
報告者が昨年度発見した固視仰角依存の立体錯視(Mitsudo,2007,Vision Research,47,1303-1314)を詳しく調べるため、両眼眼球の3次元位置測定を組み合わせた心理物理学的実験を行った。具体的には、固視仰角(垂直方向の眼球位置変化)に依存して平面図形が立体的に層化して見える錯視が回旋輻輳(視軸まわりの両眼の逆方向回転)に起因するという仮説を、眼球映像解析法を用いて検討した。映像解析法は眼球の水平垂直位置に加え、回旋位置を比較的精度良く測定できる非侵襲的方法である。報告者はこの方法を応用して両眼の回旋輻輳を測定するため、従来知られているアルゴリズムを改良した。心理物理学的実験では、被験者は正面または上方に呈示されるテスト刺激(平面図形)を両眼で固視し、テスト刺激の知覚的奥行きをマッチング法で報告した。同時に、テスト刺激観察中の各眼映像を赤外線カメラで測定し、虹彩紋理の回転から回旋輻輳量を1/30秒ごとに推定した。その結果、上方固視中は無視できない回旋輻輳(約3-10°)が生じていることを確認し、その量とテスト刺激の相対奥行き量の間には個人内で相関があることが明らかとなった。加えて、回旋輻輳が画像によって誘導される視覚刺激を使って眼球位置を測定した結果でも、回旋輻輳量と知覚的奥行きの間に相関があることが明らかとなった。これらの結果は、固視仰角依存の立体錯視の主要因は回旋輻輳であるという仮説を支持するものであり、立体錯視の生起機序を解明することができた。
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