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害虫防除技術による生態系の変容に関する科学技術史・環境史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04J03844
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 科学社会学・科学技術史
研究機関神戸大学

研究代表者

瀬戸口 明久  神戸大学, 国際文化学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード害虫防除 / 進化論 / 生物学史 / 環境史
研究概要

今年度は以下の3つのテーマについて研究をすすめた。
1.害虫をめぐる自然観
近代日本における害虫をめぐる自然観の変容について分析し、『トンボと自然観』(京都大学学術出版会)の一部として出版した。近世以前の日本においては「害虫」という用語もなく、害虫を駆除するという発想も持たないものが少なくなかった。だが19世紀末以降、農事試験場や帝国大学などで応用昆虫学の研究体制が整備されていくにつれて、害虫を支配可能とみなす自然観が普及していく。ここで重要な役割を果たしたのが、私立昆虫研究所を設立した名和靖である。本稿では名和昆虫博物館所蔵の資料を用いて、19世紀末から20世紀半ばにかけての害虫をめぐる自然観の変容を明らかにし、科学史・環境思想史的な考察をおこなった。
2.日本における進化論
日本における進化論の導入をあつかった先行研究について調査し、『生物科学』誌に寄稿した。これまで日本における進化論は、さまざまな「抵抗」によって正しい「受容」が妨げられたと理解されてきた。明治期における進化論は「歪曲」されて導入されたため、社会進化論に偏ってしまった。最近の研究では皇国史観からの「抵抗」も存在したことが指摘されている。さらに戦後のネオ・ダーウィニズム受容も、ルイセンコ理論や今西進化論による「抵抗」を受けたとされている。それに対して本研究では、従来の歴史理解は「受容」と「抵抗」のみに注目しすぎていることを批判し、同時代の文脈を踏まえた歴史叙述が必要であることを指摘した。
3.衛生昆虫学の成立過程
日本における衛生昆虫学の成立過程について資料収集・研究をすすめた。その結果、植民地統治と衛生政策の関係、医学研究において動物学者・昆虫学者が果たした役割、戦時マラリア研究が生物学・医学に与えた影響などについて明らかにされた。本研究の成果は来年度中に学会報告・論文として発表される予定である。

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本における進化論の導入2004

    • 著者名/発表者名
      瀬戸口 明久
    • 雑誌名

      生物科学 56巻第1号

      ページ: 23-30

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] サルをめぐる動物観と生物多様性保全2004

    • 著者名/発表者名
      瀬戸口 明久
    • 雑誌名

      動物観研究 9号

      ページ: 31-36

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] トンボと自然観2004

    • 著者名/発表者名
      上田 哲行(共著)
    • 総ページ数
      504
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2024-03-26  

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