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日本近代家族法における「家」と家父長権の史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 04J04069
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 基礎法学
研究機関一橋大学 (2005-2006)
東京都立大学 (2004)

研究代表者

遠山 文重 (宇野 文重)  一橋大学, 大学院法学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード「家」 / 戸主権 / 家父長権 / 親権 / 富井政章 / 梅謙次郎 / 明治民法 / 臨時法制審議会 / 親権(自然後見) / 親族会 / 相続
研究概要

(1)明治前期下級審裁判例の研究
これまでの研究分析に引き続き、明治前期下級審における「家」に関する判決の収集・分析を遂行した。とくに、「親権」概念、「親族」概念の分析、「親族会」の構造と機能についての検証に力を注ぎ、明治民法編纂過程における各条文に関する議論との関連性についての検証を試みた。あらたに「分家」に関する裁判例の収集、分析にも取り組み、慣習上の分家や明治民法の「分家」規定との比較という観点から、研究を進めている。
(2)民法起草者の家族法思想に関する考察
明治民法起草委員・富井政章と梅謙次郎の「家」概念理解を軸に、両者の親族法のとらえ方についての分析を試み、研究をまとめる作業をすすめた。富井が起草した戸主権、廃戸主、扶養、後見等の規定を分析すると、彼が戸主権主体を「世帯主」と捉え、民法上の「家」を同居・同生計の単位である「世帯」として位置づけようとしたと考えられる。伝統的には、観念的な「家」が家長の権限行使に歯止めをかけたが、富井の構想では、「世帯」保護のために戸主権の行使が制限されるとされ、「世帯」こそを近代法上の「家」として位置づけていたものといえる。他方、梅謙次郎は、従来の評価よりも、さらに複合的な構造をもつ戸主権像を抱いていたといえる。梅は、戸主権は所有権主体としてのみならず、家族を支配する家長として、すなわち身分権としての絶対性を持つべきだと考えていた。その前提に|は、民法上の「家」を、夫・父権が支配する「事実上ノ生活」と、戸主権が支配する「名義上ノ家」とに二分する梅独自の発想がある。二つの「家」を二つの異なる家父長権が別個に支配する二重構造、これこそ明治民法親族法の基本構造となった。しかし、民法施行後においては、富井が提示した民法上の「家」と社会実態上の「世帯」との関係が常に問題となる。その点も含めて、(1)(2)を総合的に考察した著作の執筆を計画している。
(3)大正・昭和期の家族法学説と判例の関係についての考察
大正・昭和期の家族法学説史研究の端緒として、家族法判例研究に取り組んだ。中川善之助の「統体論」や末弘厳太郎の「家団論」が登場する背景には、民法上の「家」と現実的な家族共同生活との対立構図ないし乖離が存在する。臨時法制審議会の民法改正作業や家事審判書構想等も視野に入れ、とくに司法上の「家」理解と学説との関係を重視する。最終的には、近代日本家族法の歴史的な展開の中で、この時期の「家」理解がどう位置づけられるのか、戦後の改正への影響も含め、検討したい。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 書評/村上一博氏・著『日本近代婚姻法史論』2006

    • 著者名/発表者名
      宇野 文重
    • 雑誌名

      法制史研究 54号

      ページ: 145-150

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2024-03-26  

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