研究課題/領域番号 |
04J04136
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
長谷川 真士 首都大学東京, 理学系化学コース, 特別研究員PD
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | テトラチアフルバレン / 酸化還元系 / 機能性材料 / 超分子化学 / 自己組織化 / 有機伝導体 / 分子ワイヤー / ナノ構造体 / 大環状化合物 / 有機磁性体 |
研究概要 |
テトラチアフルバレン(TTF)は有機伝導体における有効なドナーとして広く研究されているが、近年の超分子化学の発展とともにTTFの多機能性を活かした新たな方向性が示されている。つまり、TTFを超分子化学における構成ブロックと捉え、レドックスセンサー,分子スイッチ、有機磁性体、非線形光学材料などの機能の発現が報告されている。しかしながら有機伝導体におけるTTFの根本的特徴である自己会合という性質を有効に利用したものはあまり知られていない。そこで申請者はTTFが中性及びカチオンラジカル状態において多量化する性質に着目し、これを活かした超分子構造をもつ化合物の構築を目的として研究を行った。 初年度までにTTFデンドリマー型化合物や直線状TTFオリゴマー型化合物などを設計し、その合成手法について確立した。本年度では、それらのTTFオリゴマーを用いて超分子構造の構築を検討した。具体的には、ヘキサキス(テトラチアフルバレニルエチニル)ベンゼン(1)を鍵化合物として、溶液中での会合を明らかにし、そこから超分子構造の構築を達成することができた。化合物1は溶液中、中性やカチオンラジカル状態で強く自己会合し、その会合能についての定量化に成功した。さらに会合している1の溶液に無極性溶媒を加えることで、1本が300-400nmの分子ワイヤーが出来ることを見いだした。この手法を利用して、溶液中で会合したカチオンラジカル種よりホールがドープされた状態の分子ナノワイヤーの構築を達成させた。これらは、溶液中での超分子構造をあらかじめ制御しておけば機能性を持った有機材料を形成できうるということを示唆しており、今後有機デバイス素材への発展が期待できる。
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