研究課題/領域番号 |
04J04429
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丹所 良二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 磁気リコネクション / 数値シミュレーション / 太陽フレア / 下降流 / 自己膨張的発展 / 磁気流体力学 / 磁気流体不安定 / 宇宙プラズマ物理学 / 降着円盤 / 磁気回転不安定 |
研究概要 |
磁気リコネクションは宇宙空間における大規模エネルギー解放現象、例えば太陽表面における爆発現象、太陽フレアや地球の極域で見られるオーロラ爆発現象、に深く関わっていると考えられており、磁気リコネクションの研究は世界中で広く行われている。磁気リコネクションに伴って、解放された磁気エネルギーがプラズマの熱・運動エネルギーに変換される。この過程で発生する高速のプラズマ流、リコネクションジェットは、そのダイナミクスの重要性が示唆されていながらも、これまで充分な研究が行われてこなかった。研究者はリコネクションジェットのダイナミクスに注目し、数値シミュレーションを手法として研究を行ってきた。研究を効率よく進めるために3次元磁気流体シミュレーションのプログラムコードを開発・最適化し、プログラムコードの並列化を行った。並列化を施した結果、非常に大規模な3次元シミュレーションが行えるようになった。このプログラムコードを用いて行ったシミュレーションによって、リコネクションジェット先端領域では、プラズマの分布に小さな乱れが存在するとき、交換型の不安定が励起され、泡状構造が発達することがわかった。また、泡状構造はそれぞれが大きく引き伸ばされ、ダイナミックな構造の発展が見られることがわかった。研究者が示したリコネクションジェット先端領域の構造は、近年発見された太陽フレア中での下降流と呼ばれる現象と酷似していた。人工衛星による観測データと研究者のシミュレーションを比較・検討したところ、研究者が得た結果は下降流現象を定性的・定量的に説明するのに充分なものであり、下降流現象の正体を解き明かす最も大きな可能性を示唆するものであった。研究者は平成17年度、この結果を国内外の学会で発表し、学術雑誌に論文が掲載された。また、平成17年度後半からは新たに開発した磁気2流体シミュレーションコードを用いて、これまで考えられていたものとは全く違う新しい磁気リコネクション現象の描像、自己膨張的発展、を提唱するに至った。この結果も国内外の学会で発表され、現在学術論文雑誌への論文の投稿を準備中である。
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